2012 Fiscal Year Annual Research Report
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23730301
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Research Institution | Kushiro Public University of Economics |
Principal Investigator |
生方 雅人 釧路公立大学, 経済学部, 准教授 (00467507)
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Keywords | 高頻度データ / 実現ボラティリティ / ボラティリティリスクプレミアム / インプライドボラティリティ / オプション |
Research Abstract |
平成24年度では、平成23年度に執筆した2つの論文について以下の拡張をおこない研究をより包括的なものとした。第一に、高頻度データから計算されるRealized variance (以降、RV)とオプションデータから計算されるModel-free implied varianceを用いて、日経225株価指数のVariance risk premium(以降、VRP)を算出した。今年度では新たに、このVRPと日次データから計算したRVを用いたVRPの金融資産に対する予測力について検討した。第二に、RVを日経225オプション価格付け応用した昨年度の論文の拡張として、新たにRVに含まれるジャンプを考慮した場合とそうでない場合でパフォーマンスを比較した。 研究期間全体を通じて、本研究では高頻度データを用いて算出される洗練されたリスク指標の計算方法と応用についてサーベイ(展望)を行った後、実際に日本市場に応用した研究を行ってきた。まず、高頻度データの情報を利用した日経225株価指数の月次VRPの方が、日次データの情報までを利用した月次VRPに比べて、クレジット・スプレッドや景気動向指数CIに対してより望ましい高い予測力をもつ可能性を明らかにした。また、RVをオプション価格付けに応用する際には、市場のミクロ構造に起因するマイクロストラクチャー・ノイズを考慮したRVと市場が閉まっている時間帯を考慮したRVを用いた方が、両者を考慮しないRVや日次データをベースとしたARCH型オプション価格付けモデルに比べて、パフォーマンスが改善する可能性を明らかにした。これらの結果は高頻度データの情報をうまく利用することによって、日次や月次レベルでのリスク評価とその応用問題に対しても有用となる可能性を示唆するものである。
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Research Products
(3 results)