2011 Fiscal Year Research-status Report
中国計画経済期(1949-78年)の政府―企業間関係に関する事例比較研究
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23730321
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加島 潤 東京大学, 社会科学研究所, 助教 (50463899)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 経済史 / 東洋史 / 中国経済 / 国際研究交流 / 多国籍 |
Research Abstract |
本研究の初年度にあたる平成23年度は、中国の計画経済期(1949-1978 年)における政府―企業間関係の通時的・地域的間比較的検討という本研究全体の目標達成に向けて、当初の予定通り必要な基本器材(ノートPC等)の購入や地方政府・企業関連資料の収集とその吟味、最新の研究動向のサーベイを行った。そしてそれらの基礎の上に、初年度の重要な課題としていた政府―企業間関係の地域間比較を行う上での適切なモデル企業・地域の選定作業を進めた。そのなかで、一次史料へのアクセスが比較的容易であり事例として適合的な規模をもつ内陸地域の武漢市や南部沿海地域の中心都市である広州市などが候補として挙がっており、来年度以降に現地調査を含めたさらなる検討を行う予定である。 また、国外の関連する研究情報の収集、国際的な研究者ネットワーク構築および研究成果発信の足掛かりとして、2011年7月11日に勤務先の東京大学社会科学研究所にて当該分野に関する欧州の若手研究者を講師として招いたセミナーを開催し、欧米圏での研究動向と今後の研究協力の可能性について議論した。また同年10月8-9日には、イギリス・ブリストル大学で開催された当該分野に関する国際ワークショップに参加し、本研究のアイデアとその基礎となるこれまでの研究成果について報告した。こうした海外の研究者との交流を通じて、来年度以降の研究の方向性について新たな着想を得るとともに、本研究の総括段階における国際的な研究集会の開催など、国際的な研究者ネットワークを利用した研究推進の在り方を具体的に構想することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画の通り、必要な基本器材の購入や関連資料の収集・吟味、研究動向のサーベイを進め、政府―企業間関係の地域間比較を行う上での適切なモデル企業・地域の選定作業についても一定の目途をつけることができたという点で、おおむね順調に進展したと言える。課題として残ったのは、当初研究計画に組み入れていなかった海外研究者との交流の機会を優先させたために、初年度に行う予定であった現地調査が十分展開できなかった点であり、次年度以降に重点的に進めていく。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降は、初年度に行った関連資料の収集・吟味および研究動向のサーベイを踏まえて、モデル企業・地域の選定作業を進め、現地調査を含めたより本格的なデータ収集・分析に移行していく。また、初年度より構築している国際的な研究者ネットワークを利用して、研究の総括と発信を兼ねた国際的な研究集会の開催を予定している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度の研究費は、当初予算額500,000円に、平成23年度繰越分343,887円を加え、総額843,887円となる見込みである。 使用内訳は、物品費200,000円、旅費550,000円、人件費・謝金40,000円、その他53,887円を予定している。前年度からの繰越分は、主に前年度に十分行うことができなかった現地調査のための旅費、あるいは国際的な研究集会の開催のための招聘旅費に充当される。なお、国際研究集会の開催時期について、平成25年度の方が適当と判断される場合は、必要な予算を平成25年度に繰り越すことも視野に入れている。
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