2011 Fiscal Year Research-status Report
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23730347
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
劉 妍 名古屋大学, 経済学研究科(研究院), 助教 (80584911)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 需要予測 / コンビニエンスストア |
Research Abstract |
平成23年度は,次の2つの事項について研究を行った。i. 研究対象企業の調査および予測対象商品の特徴分析 弁当・惣菜などのデリカ商品を生産・販売している研究対象企業の管理課題を明確にするために,企業訪問や調査を実施した。その結果,商品のライフサイクルは短く,発売直後に経験に基づいて新商品の需要予測を短期間で行うことは,対象企業となるコンビニエンスストア業界に属する弁当惣菜製造企業にとって喫緊な課題であることがわかる。一般的な食品製造企業と比べ,デリカ食品製造企業は,市場への投入期間の短い多くの商品があることに加えて,短い消費期限・賞味期限,高い品質保証,不確定な需要変動などの特徴があることがわかる。ii. 需要予測手順の検証 研究対象企業の東海営業エリア内にあるすべてのコンビニエンスストアへの過去出荷実績データを収集し分析した。新商品の需要量および需要動向を予測するための提案手順の実用性を確認した。また,提案手順を応用することにより,デリカ商品について効率的な原材料仕入れ・生産・販売が可能となり,企業の当該商品から得られる収益に関して,大きな比較優位性の獲得が期待できる。上記の研究成果をまとめ,国際会議にて発表する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本課題を推進している研究室は,平成18年4月より,名古屋大学と(株)ファミリーマートの産学連携プロジェクトに引き続き参画している。本産学連携プロジェクトにより,コンビニエスストアのPOSデータをはじめ,本研究プロジェクトの遂行のために,必要なデータについて継続して提供を受けているので,調査・研究を順調に実施している。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題に関する今後の推進方策については,以下の事項について特に重点を置くことにしている。i. 研究対象企業の業務プロセス調査 複数の店舗と複数のメーカの間に存在する共同配送センタ(クロスドッキングセンタ)を研究対象として,店舗からの発注データを活用し,需要変動に柔軟に対応できる人員計画の手順の応用性について定量的に検証する。特に,シミュレーションモデルを構築するために,複数の仕入先による同時荷受・同時仕分け・同時出荷の基本業務を詳細に調査・整理することに重点を置く。ii.作業人員計画手順の実用性の検証 研究対象企業から提供した実際のデータに基づき,シミュレーションモデルを用いて実用性を検証する。特に,需要量の変動に適応する作業人員数を定量的に推定することができれば,適切な作業人員の削減や作業コストの最小化を図ることが可能となる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究課題を実施する初年度において,研究対象企業の調査および膨大な実績データによる分析では,大量な時間を要した。初年度の研究成果を世界へ発信するために,次年度において,国内・国際学術セミナーで積極的に報告することが重要である。国内・国外旅費について,初年度の繰越額を含め,国内シンポジウム・国際会議などでの講演に使用する予定である。
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