2012 Fiscal Year Research-status Report
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23730349
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山内 裕 京都大学, 経営学研究科, 講師 (50596252)
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Keywords | 企業内研究開発 / 市場機会と技術の結び付け |
Research Abstract |
論文の執筆と調査の継続・分析を行なっている。論文の方では、2本論文(英文)を執筆した。1本は異分野での新しい研究開発テーマの立ち上げにおける組織の連続性の論文であり、ジャーナルに投稿したところ、理論的な概念を提示していたが、レビューによると過度な理論構築を避け、データ分析に即した事例論文でいいのではないかというフィードバックを受け、その方向性でリバイズしている。例えば、全く異分野の研究でも既存技術領域と関連させることや、異分野であることで正統性が得られない場合に正統性を構築するなどの活動を通して、連続性を構築している。2ヶ月以内には仕上げて再投稿する。 もう1本は2012年8月のAcademy of Management Annual Meetingと三菱UFJ財団国際カンファレンスでの発表を経て執筆が完了している。現在、調査先の会社の公開許可を待っている状態である。こちらは、研究開発テーマの立ち上げにおける市場機会の検討と確認を研究者自身が研究の内部で行うという事例を基に、一歩踏み込んだ市場機会と研究の間の関係について議論している。例えば、当初技術のアイデアが固まっていない時期には、研究と市場機会の探索・確認を反復的に実施する。そして研究が始まると、今度は市場について詳しい外部の専門家を研究プロジェクト内部に取り込み、日々横で研究するというスタイルを取ることがある。公開許可が得られ次第、ジャーナルに投稿する。 調査では、研究開発における研究者の提案する最初のアイデアに注目し実施したインタビューの分析を進めている。アイデアの発想の起点と、その中で市場機会をどのように理解しているのかを類型化し、そのアイデアがどのように提案し研究プロジェクトとして立ち上げられるのかに注目している。いくつかの分析の視点と理論的な枠組みを検討している。この分析の論文執筆も進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初2社で実施する予定であったが、予定していた1社との調整が合わず断念し、別の1社で調査を開始した。現時点では1社での調査を進めている。その後、別の会社にも打診したが、十分なアクセスが得られる、今後2社目に広げるよりも、この1社のデータの分析とそれまでに取得したデータとの比較分析に注力したい。
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Strategy for Future Research Activity |
現在投稿直前の論文1本を投稿すると同時に、リバイズ中の論文1本をリバイズし、再投稿する。同時に、調査している分析を基に、それらの研究を進め、新しい論文の執筆を進める。現在調査している研究開発プロジェクトを継続的に追い掛けるために、調査も継続する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
論文の執筆のために英文校閲の外注、分析補助のための学生謝金、国内・海外学会発表での旅費、調査のための旅費、データの書き起こしのための外注、その他書籍や消耗品の購入を計画している。
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