2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23730361
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
三崎 秀央 兵庫県立大学, 経営学部, 教授 (30312763)
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Keywords | 組織的公正 / 分配的公正 / 手続き的公正 / 戦略浸透 |
Research Abstract |
当該研究の目的は、組織行動論の研究としては完成度の高い組織的公正理論を、より経営学的な視点から発展させることにある。従来の組織的公正理論は、個人の行動に焦点があてられており、経営の実務的に考えると、あまりにもミクロ的な視点であり、経営方針や戦略といった実務的な視座にかけているという欠点がある。そこで、当該研究では、具体的に、経営学、特に戦略論などにおける知見を援用した枠組みを構築し、定性的・定量的実証研究の積み重ねを通じて、これらの課題を克服した、より体系的で実務的な観点に耐えうる理論的枠組みの構築を目指すものである。 我々の枠組みは、組織的公正に対して影響を与えるとされている、情報の正確性や一貫性などに加えて、戦略や方針の明示・浸透・それに基づく評価といった、戦略に関わる次元を分析枠組みに加えている。 本年度は、これまでに我々が実施してきた文献研究と実証研究をさらに推進するとともに、新しい研究枠組みの説明力を確認することに重点を置いた。具体的には、これまでに実施してきた実証研究をフォローし、当該企業の担当者にインタビューを実施したり、当該企業のマネジャーのミドルクラスの戦略立案の現場で、本研究の理論的枠組みを意識して、実務に臨んでもらうことの効果などを確認することができた。具体的に、多変量解析等を実施した定量分析でも、インタビューを中心として定性的な分析でも、従来の変数に加えて、戦略に基づく評価を実施することなどが有意な独立変数として作用していることが明らかとなった。
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