2011 Fiscal Year Research-status Report
地球環境配慮型のイノベーションにおける資源動員プロセス
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23730373
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
三木 朋乃 立教大学, 経営学部, 助教 (60508604)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 国際情報交流 |
Research Abstract |
本研究の目的は地球環境配慮型のイノベーションはどのようにして実現するか、資源動員という観点から分析することである。本年度は研究目的を達成するために、まず既存研究のレビューを行った。優れたアイディアが経済成果に結びつくプロセスとして、既存のイノベーション研究においてどのような道筋が前提とされていのか、調べた。同時に、地球環境配慮型のイノベーション(事業化過程)に関してどのような研究が行われてきたかについても調べた。既存研究のレビュー作業は主に文献を通して行った。レビュー作業はまだ途中であるが、とりわけ地球環境配慮型のイノベーションに関しては、実証研究を通した研究は見られるものの、ケース分析を基にした研究は少ないことがわかった。また、環境技術やサスティナブルマネジメントをテーマとした国際学会やセミナーへも参加をし、現在の研究動向を調査した。その結果、経済学的な観点から環境技術や環境マネジメントの効果があるかどうかというマクロな視点をもった研究は多く見られたものの、環境技術をイノベーションとして捉え、どのようにして事業化を行うかというミクロな観点をから分析された研究はほぼ皆無であることがわかった。既存研究のレビューと並行して行ったのは、実際に地球環境配慮形のビジネスを行っている日本企業へのインタビューである。今年度はサルファーフリーガソリンを開発したJX日鉱日石エネルギー社へのインタビューを行い、研究開発から事業化に至るプロセスを明らかにすることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1.既存研究のレビューについて一般的なイノベーション研究に関するレビューは予定通り行うことができたと考えている。しかしながら、地球環境配慮型のイノベーション(事業化過程)に関しては該当する研究があまりないため、予定通りに進んでいない。そもそも該当する研究があまりないということは何を意味するのかついて改めて考えた上で、視点を変えてレビューを進める必要があると考えている。場合によっては、地球環境配慮形イノベーションはあくまでも事例として捉え、一般的なイノベーション研究の一つとして位置づけるという発想の転換も必要かもしれない。2.調査についてもともとは、水ビジネスのうち素材ビジネスを対象事例として研究を進める予定であったが、素材といっても大きく分けて4種類、それぞれに強みを持つ企業が複数存在するため、ビジネスの全貌を明らかにするには研究対象が広すぎることがわかった。そこで、今年度はビジネスの全体像を把握しやすい規模の産業ということで、環境配慮型ガソリンビジネスを対象として調査を行った。調査は主に研究開発、事業化について行った。調査の結果、水ビジネスで想定していた日本企業が抱えているであろう現象と似た現象が見られたことは評価できると考え、本発見事実を来年度以降の調査につなげていきたいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
1.既存研究のレビューについて昨年度に引き続き、優れたアイディアが経済成果に結びつくプロセスとして、既存のイノベーション研究においてどのような道筋が前提とされていのか、明らかにし、既存研究の整理を行う。また、既存のイノベーション研究のどこに地球環境配慮型のイノベーション(事業化過程)に関する既存研究を位置づけられるのかについては、改めて検討を続けたい。2.調査について事業化段階における資源動員プロセスを明らかにするために、日本企業が素材や基礎技術に関しては高い世界的シェアを持つビジネスをとりあげて、比較調査を行うこととする。調査対象とするのは、例えば環境配慮形ガソリンビジネス、海水淡水化ビジネス、地熱発電ビジネスである。どのような資源をどのように動員して高いシェアを構築することができたのか、そのプロセスを明らかにするために、該当ビジネスを日本・および海外で展開している日本企業に対して調査を行う。調査方法は、まず新聞や雑誌を利用して二次情報を収集した後、聞き取り調査によって一次情報を得ることとする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
H23年度は調査対象を絞ったため、旅費および論文を英訳するために計上していた翻訳代の一部が繰越金(約46万円)となった。繰越金は、H24年分とまとめて、次のように使用計画予定である。・H23年度の調査結果の外部への発信・・・H23年度の調査結果をまとめて、海外の学会にて発表したり、学術雑誌へ投稿するため、英訳の費用を計上する。学会発表するための旅費と参加費も必要である。具体的には次のような学会への研究成果の発信を検討している。(1)学会発表(Academy of Management, International Product Development Management Conference,組織学会など)(2)学術雑誌への投稿(Academy of Management, Organization Studies, 組織科学など)・H24年度の調査・・・H24年度は、調査対象として環境配慮形ガソリンビジネス、海水淡水化ビジネス、地熱発電ビジネスをとりあげる。中でも環境配慮型技術において高い世界的シェアを持つ日本企業にインタビュー調査を行っていく。これにともない、関連産業の先行研究に関する調査、業界研究のために、図書費と印刷費を使用する。また、調査のため、国内・海外出張が発生する。調査後はインタビュー内容のテープ起こしが必要となるため、テープ起こし費用も計上する。
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