2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23730378
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
姜 理恵 早稲田大学, 商学学術院, その他 (90570052)
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Keywords | 創造性 / クリエイティブ産業 / コンテンツビジネス / クリエイター |
Research Abstract |
2012年度はクリエイティブ産業のクリエイターへのインタビュー調査を行いつつ、経営学における創造性に関する研究会、学会、国際会議への出席を精力的にこなした。 クリエイターを対象にしたインタビュー調査は今も継続しており、年度末までの研究成果は2013年3月、日本創造学会の定例研究会で発表した。続いて学会誌への投稿も準備中である。2012年11月にはクリエイティブ産業研究を専門とする東北芸工大仙台キャンパスで特別講義を行い、制作者や研究者と意見交換を行った。 クリエイティブ産業は「商業性と、芸術性・新奇性のバランスが問われる」(Cave、2000)点で他のすべての産業と大きく異なり、「商業性と、芸術性・新奇性というジレンマの中で制作者が自身の創造性を発揮することがコンテンツの業績を左右する」(Cave,2003)。一方、これまでの先行研究では、Amabileの構成要素モデルをはじめ、ビジネスにおける創造性は産業を問わず一概に論じられ、ビジネスの場で必要な創造性はすべての人に普遍的に存在するとの議論が一般的であった。 しかしこれまでの研究では、①コンテンツ制作に適した、個人の創造性が存在する、②その創造性は一定程度個人の特性によるため、マネジメントの努力による改善は困難――という仮説が支持されるデータが集まってきている。 従前の先行研究による「ビジネス創造性はすべての労働者に普遍的に存在する」としてきた先行研究での議論と相反するリサーチ上のギャップであると考えるが、これについて質的調査はすでに行ってきたので、さらに専門的な創造性スケールを用いた量的調査を行う方向で現在研究を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2012年度内に質的調査をすべて終わらせたかったのだが、残念ながら十分満足できる水準までデータがそろっていなかった。この点については猛省をし、現在巻き返しを図るべく努力している。またその結果論文投稿がまだ完了していないのでこれも先を急ぐ。
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Strategy for Future Research Activity |
2013年度は残りの質的調査を進める。同時に3月の研究会で複数の創造性測定ツール使用提案があったのでそれらを精査し、あうものを用いて再度量的調査を行う予定。 研究成果については11月の日本創造学会で発表することを目標にしている。そこでの議論を受けて、各学会誌、海外ジャーナルへの投稿を急ぐ。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
海外ジャーナル投稿への校正や投稿費用に用いる。
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