2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23730378
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Research Institution | The Graduate School of Project Design |
Principal Investigator |
姜 理恵 事業構想大学院大学, その他部局等, 研究員 (90570052)
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Keywords | 創造性 / 創造産業 / クリエイター / クリエイティブ |
Research Abstract |
本研究は制作者個人の創造性が競争力の源泉である創造産業(クリエイティブ産業)を対象に、制作者(クリエイター)個人の創造性と業績の関係を探索的に研究するものである。これまで経営学的アプローチによる創造性研究では「ビジネス創造性は全ての人に普遍」とされてきた。つまり先行研究では業界によっては特殊な創造性が必要とする議論はなかった。一方、筆者のこれまでの研究、特に質的調査において、複数のコンテンツ産業従事者が、同産業における創造性の普遍性を否定した。加えて2010年に実施した量的調査でも創造産業従事者と他産業従事者の間に創造性をめぐる複数の差異が発見された。本研究はこうしたリサーチギャップを起点に、定性的調査によって創造産業従事者の中でもコンテンツ制作者の創造性と業績の関係を、個人・環境のトレランス(寛容)の観点から調査したものである。 本研究では3年間にわたってコンテンツ制作者の個人の創造性とそれを取り巻く職場環境、そして業績の関係を、個人・環境のトレランス(寛容)にフォーカスしながら調査した。本研究の成果としては、個人・環境のトレランスが高いほど、製作者のパフォーマンスは上がっていた。これは今後日本国をはじめとする各国が第4次産業としてクリエイティブ産業を推進するに当たっての政策決定や経営者の意思決定に有益な結果になりうると考える。経営方針や産業推進政策において、低トレランスな意思決定はパフォーマンスにネガティブである。
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