2012 Fiscal Year Research-status Report
小売店を対象としたインストア・マーチャンダイジングの定量的な効果検証に関する研究
Project/Area Number |
23730386
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Research Institution | Nagoya Gakuin University |
Principal Investigator |
三輪 冠奈 名古屋学院大学, 商学部, 准教授 (30460546)
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Keywords | インストア・マーチャンダイジング / シミュレーション / 店舗マネジメント / POSデータ |
Research Abstract |
本研究は、小売店を対象として、インストア・マーチャンダイジング(ISM :In-Store Merchandising)を調査し、ISMにおけるシミュレーション分析について体系化することを目的としている。平成24年度は、次の3つの事項について研究を行った。 (1) POSデータ分析:対象とする小売店におけるデータについて、データ分析を行った。対象としたコンビニエンスストアの店舗(ファミリーマート、名古屋大学店)において、開店した2007年からの約6年間のPOSデータを収集し、時系列分析を昨年度から継続して行っている。さらに、データ分析ソフトウェア(Visual Mining Studio)を導入し、詳細な分析を実施した。特に、シミュレーションモデルへPOSデータを適用するために、配置商品構成や商品配置などと顧客動線との関係についての研究を行った。 (2) シミュレーションモデルの構築と調査:収集したデータや調査をもとに、小売店における人員配置問題についてシミュレーション分析をした。POSデータと(1)で得られた分析結果を用い、効率的な店舗運営を実施するために必要となる最適な人員配置を決定するためのシミュレーションモデルを構築した。また、シミュレーションモデルを構築するために、シミュレーション技術に関する調査も行った。最新のシミュレーション分析を調査するために国際学会へ参加し、さらに最新のシミュレーションソフトウェア(SIMIO)についてのセミナーにも参加し、最新のシミュレーション技術についての情報収集も行った。 (3)シミュレーション分析に関する研究:(2)で構築されたモデルにおいて、ISMに関する分析方法における調査を行っている。ISMの効果を測定することは困難であるため、店舗マネジメントの効率性を考慮して分析するための方法について研究をしており、現在も継続中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成24年度の計画では、次の3点を実施する予定であった。 (1)実際の小売店への適用:シミュレーションで得られた結果を実際の店舗で適用し、ISMを実際に実施し、シミュレーション結果と比較する。 (2)問題点・改善点の解明(適用範囲の確定):実際に適用した場合の問題点及び改善点を明確にする。さらに、提案するフレームワークの適用範囲を明らかにする。 (3)シミュレーション分析と情報システムとの連携(3Dアニメーション):シミュレーション分析を店舗で活用するために、店舗の情報システムに連携させてシミュレーションの様子を3Dアニメーションで表示させることも実施する。 (1)~(3)において、ISMに関する1つのテーマ(商品配置と人員配置)については、実施することができたが、ISMに関するその他のテーマについてはまだ結果を得られていない。次年度では、その他のテーマも同様に実施し、店舗全体での分析を実施していく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度となる本研究課題に関する今後の推進方策については、以下の事項について特に重点を置くことにしている。 (1)ISMに関する店舗全体のシミュレーションモデルの構築:店舗全体のシミュレーションモデルを完成させる。 (2)分析と評価:ISMの評価としてシミュレーション手法を用いることの有効性と、それを適用することによってさまざまな政策を検討し、効率的かつ効果的な評価をする手順を提唱する。 (3)フレームワークおよび分析手続きの提唱:これまでの一連の研究成果をまとめ、ISMとシミュレーション分析のフレームワークおよび分析手続きを提唱する。 (4)研究成果の報告:本研究に関する研究成果について、積極的に学会で報告し、研究論文を発表する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度はやや研究が遅れていることから、研究成果の報告が予定通り実施することができなかった。そのため、本年度に使用計画していた学会参加のための旅費、学会参加費、外国語論文校閲などの支出が計画通りに使用することができなかった。 次年度は、これまで構築したシミュレーションモデルや構築方法を利用して、さまざまな実験や分析をさらに実施していく予定であるため、シミュレーションソフトの利用更新料や、研究補助(人件費)に研究費を使用する予定である。また、最終年度ということで研究成果報告を積極的に行っていくため、学会参加費、論文投稿、外国語論文校閲などの研究成果報関連で研究費を使用する予定である。
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