2011 Fiscal Year Research-status Report
セルサイド・アナリストの楽観的バイアスに関する実証研究
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23730396
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Research Institution | Tezukayama University |
Principal Investigator |
近藤 江美 帝塚山大学, 経営学部, 講師 (50581485)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | アナリスト / アナリスト・レポート / 証券会社 / 株式推奨 / 予想利益 / 幹事会社 / アンダーライター |
Research Abstract |
セルサイド・アナリストの楽観的バイアスに関する研究というテーマで実証研究に取り組んでいる。本来、アナリストは、中立的な立場からアナリスト・レポートを作成しなければならないというのが前提ではあるが、顧客企業や証券会社の他部門からの圧力により、利益相反問題が生じていることが指摘されている。そこで、本申請研究では、顧客企業と証券会社の間にアンダーライター関係があるかどうかによりサンプルを分類したうえで分析を行い、両者の楽観的バイアスに差があるかどうかを明らかにすることを目的としている。 本研究の遂行に当たり、膨大なアナリスト・レポートに関するデータを取り扱うため、平成23年度は主として、アナリスト・レポートの入手およびそこから得られるデータ収集・整理が成果となる。対象証券会社・対象企業を選択し、レポート中に記載されている、日付、アナリスト名、株式推奨、目標株価、およびアナリスト予想利益等のデータ入力を行っている段階である。さらに、会社四季報を用いて、対象企業の幹事証券会社を調査している。 また、セルサイド・アナリストの楽観的バイアスに関する米国の先行研究を調査しサーベイを行った。本研究に関して、米国では、どの程度の蓄積があり、どこまで研究が進んでいるか、さらにどのような方法で研究が行われているかを把握することが出来た。これらの先行研究もかなりの量があり、整理する必要があると考え、サーベイ研究として論文の執筆に取り掛かっている。そして、主として、平成24年度に予定している本研究の分析について、その方向性を固めつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書の計画と照らし合わせて、概ね計画通りに進んでいるからである。多少、計画と異なる所もあるが、本研究を遂行する上で、必要となった部分である。
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Strategy for Future Research Activity |
最初に、平成23年度から取り掛かっている本研究テーマに関するサーベイ論文の執筆を完成させる。 また、平成24年度も引き続き、アナリスト・レポート中に記載されている、日付、アナリスト名、株式推奨、目標株価、およびアナリスト予想利益等のデータ入力・整理を行い、本格的な分析に入る準備を行い、それらのデータを用いて、セルサイド・アナリストの楽観的バイアスに関する実証的研究を行う。 さらに、本申請研究に関する分析結果を基に実証研究論文を完成させることを目標としている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度は、東洋経済株価CD-ROMを購入する予定である。また、学会報告のため旅費として使用する予定である。
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