2013 Fiscal Year Annual Research Report
セルサイド・アナリストの楽観的バイアスに関する実証研究
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23730396
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Research Institution | Tezukayama University |
Principal Investigator |
近藤 江美 帝塚山大学, 経営学部, 講師 (50581485)
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Keywords | セルサイド・アナリスト / 株式レーティング / アナリスト予想 / 利益相反 / 楽観的バイアス |
Research Abstract |
本研究の目的は、様々な利益相反に直面しているセルサイド・アナリストの予想特性に関して、実証的知見を得ることである。本来、セルサイド・アナリストは、中立的な立場から株式レーティングや利益予想といったアナリスト予想を公表しなければならないというのが前提ではあるが、顧客企業や証券会社の他部門からの圧力により、利益相反が生じるためアナリスト予想に楽観的なバイアスがかけられているということが指摘されている。 そこで、米国ではセルサイド・アナリストの利益相反に関する多数の実証的研究が存在しており、本年度は米国で蓄積された先行研究のサーベイを行い、アナリストが直面する様々な利益相反問題を系統立てて整理し、アナリストの予想特性を明らかにしている。 つまり、米国ではアナリストの楽観性は数多くの研究で指摘されており、アナリストの公表する株式レーティングは肯定的なレーティングが否定的なレーティングの数を大きく上回っているといったことや、アナリストの利益予想には楽観的バイアスがあるということが実証的証拠として得られているのである。 このようなアナリストの楽観性には、次の三つの動機があるということが、しばしば指摘されている。第一に、調査対象の企業や経営者と良好な関係を保つため、第二に、証券会社の投資銀行部門での収益を増やすため、第三に、取引を活発化させて株式売買手数料を増やしブローカレッジ部門を活性化するためである。 しかしながら、アナリストには、これらの楽観的バイアスに繋がる動機以外にも、精度の高い予想を公表することによって良い評判を獲得、それが自らのキャリア・アップに繋がるという動機も持ち合わせているのである。このように、アナリストは、様々な動機に基づくジレンマに直面しているということを明らかにした。
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