2012 Fiscal Year Annual Research Report
消費者の商品カテゴリー購買行動における量的・質的な季節変動
Project/Area Number |
23730399
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
鶴見 裕之 横浜国立大学, 経営学部, 准教授 (70581198)
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Keywords | マーケティング・リサーチ / リテールサポート / 流通 / 消費者 / POSデータ / レシート・データ / FSPデータ / 国際情報交流(アメリカ) |
Research Abstract |
本研究は国内スーパー・マーケットで3月と9月にほぼ全カテゴリーにおいて棚割変更が習慣的に実施されているという現状に対して,消費者の購買行動に基づく,より合理的な棚割変更時期の意志決定のあり方について提言することを目的として行ったものである.この目的に対して,消費者の商品カテゴリー購買行動における量的・質的な季節変動に基づき,適切な小売業の棚割変更時期を抽出する分析フレームを提案した.また,その分析フレームは3月と9月に定期的な棚割変更を実施していない米国流通業でのヒアリング調査に基づいて開発した.分析フレームはカテゴリー需要の量的な季節変動を捉えるトレンド分析と,質的な季節変動を捉えるクラスター分析から構成されており,本研究では複数カテゴリーの分析結果から,特徴的な結果が得られたつゆ,インスタント・コーヒー,マーガリンのPOSデータを詳細に分析した.つゆは春と秋の季節に量的・質的双方の季節変動があり,従来の様に3月と9月に定期的な棚割変更を実施すべきカテゴリーであると判断された.またインスタント・コーヒーは量的な季節変動から見て9月に定期的な棚割変更を実施すべきカテゴリーであると判断された.しかし,質的な季節変動と呼べる傾向は無く,従来行われている3月における棚割を実施すべき合理的な理由は見受けられなかった.マーガリンは量的な季節変動,質的な季節変動の双方ともに乏しく,従来の様に3月と9月に定期的な棚割変更を実施すべき理由は見受けられなかった. このように必ずしも3月と9月に定期的な棚割変更を実施すべき積極的な理由がないカテゴリーが抽出された.流通全体の効率を高め,新たな環境変化に対応するためには,業務を見直してゆく必要がある.カテゴリーによって不必要と判断されたタイミングでの棚割変更は停止し,必要であれば実施する,という合理的な判断を取り入れるべきである.
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Research Products
(1 results)