2014 Fiscal Year Annual Research Report
家庭用テレビゲーム業界におけるプラットフォーム戦略に関する理論的・実証的研究
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23730401
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
大北 健一 香川大学, 地域マネジメント研究科, 准教授 (60367513)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 家庭用テレビゲーム / プラットフォーム戦略 / 知的財産権 / 業界団体 / コーペティション / 企業間関係 |
Outline of Annual Research Achievements |
コーペティション戦略(競争と協力の戦略)の側面から,家庭用テレビゲーム機を供給するハードメーカーによるプロモーション活動とゲームソフトを供給するソフトメーカーによる広告活動のそれぞれの投資に関して多段階ゲームの理論を応用して分析を行い,得られた結論をもとに当該業界における定型的な事実に対する説明を試みた.この研究成果は,2014年5月にスウェーデン・ウメアにおいて行われた6th Workshop on Coopetition Strategyで成果報告を行った.なお,本研究成果の重要性については,家庭用テレビゲーム業界とプラットフォーム戦略について近年内外の関心が高まっており,当該業界におけるプラットフォーム戦略の実態が事例として記述されつつあるものの,それらに関する理論分析がとりわけ十分ではない現状と関係している.なかでも,当該業界の補完製品企業にとって,ゲーム市場の拡大やプラットフォーム間の競争という問題は重要な検討課題となっていることに加え,海外で成果をあげつつあるコーペティション戦略研究とのリンクも試みようとするところに本研究の重要性があると判断される.ただし,本研究成果における理論分析についてはさらなる検討を加える必要が残されている.他方で,上記の研究を進める過程において,これまでの数十年間に主要な国際雑誌で掲載された91本の論文から成るアジアのアントレプレナーシップ研究に対するBook Reviewの機会が与えられた.そこでは,日本の中小企業に焦点を当てた企業間関係の議論が含まれているものの,補完製品企業の企業間関係については議論がなされていないことが確認された.このため,多くの中小企業が日本の家庭用テレビゲーム業界をいまや国際競争力を有するにまで発展させることに寄与したという事実に改めて着目し,そこでの議論を発展させる余地が残されている.
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Research Products
(2 results)