2011 Fiscal Year Research-status Report
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23730408
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Research Institution | Seikei University |
Principal Investigator |
山本 晶 成蹊大学, 経済学部, 准教授 (80376574)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | クチコミ / ソーシャルメディア / 広告 / 知覚認知率 |
Research Abstract |
本研究の目的は、消費者の購買行動における対人影響のメカニズムを解明し、クチコミの金銭的価値を明らかにすることである。平成23年度の研究実績は以下のとおりである。・山本晶・松村真宏「マーケティング・エコシステム―広告、ソーシャルメディアと顧客獲得のダイナミクス―」日本マーケティング・サイエンス学会第89回研究大会(2011年6月)・Yamamoto, Hikaru and Matsumura, Naohiro "Marketing Ecosystem: The Dynamics of Twitter, TV Advertising, and Customer Acquisition", Proc. 3rd Workshop Social Mobile Web (SMW 2011), In conjunction with ICWSM 2011 , pp. 45-52(2011年7月)・Yamamoto, Hikaru and Matsumura, Naohiro "The Effect of Relational Context on Personal Influence", Proc. Workshop on Social Behavioral Analysis and Behavioral Change (SBABC2011), The Third IEEE International Conference on Social Computing (SocialCom2011) , pp. 1480-1485(2011年10月)・山本晶・西田悟史・森岡慎司・山川茂孝「知覚認知率がクチコミ受信意向に与える影響」『マーケティング・サイエンス』 19(1), pp. 73-89(2011年12月)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は、顧客の購買行動の分析に社会的な要因を組み込むことによって、各顧客とその顧客が持つ友人・知人ネットワークの経済的価値を測定することである。顧客はクチコミを発信し、新しい顧客を企業にもたらす。こうした友人招待は、多くのネットワークビジネスにおいて推進力となっている。本研究ではクチコミによって新規顧客獲得をもたらす顧客に着目するものである。 平成23年度は、論文を執筆する過程で対人影響に関するマーケティングおよび消費者行動の分野の文献サーベイを実施することができた。また、クチコミとマーケティング活動の相互作用と新規顧客獲得に関する実証分析(研究成果1および2)においては、本研究の主題であるクチコミの経済的価値とROIに取り組むことができた。平成24年度はさらにクチコミの経済的価値に関する研究を進め、国内外で発信する予定である。研究成果1:山本晶・松村真宏「マーケティング・エコシステム―広告、ソーシャルメディアと顧客獲得のダイナミクス―」日本マーケティング・サイエンス学会第89回研究大会(2011年6月)研究成果2:Yamamoto, Hikaru and Matsumura, Naohiro "Marketing Ecosystem: The Dynamics of Twitter, TV Advertising, and Customer Acquisition", Proc. 3rd Workshop Social Mobile Web (SMW 2011), In conjunction with ICWSM 2011 , pp. 45-52(2011年7月)
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Strategy for Future Research Activity |
今後は先行研究から得られた知見をもとに本研究の仮説を精緻化し、調査・実験を行う。調査の実施にあたっては、量的調査のみならずインタビューなどによる質的調査も実施し、相互に分析結果を補完できるような工夫を施す。こうした質的調査は消費者の購買意思決定における心理的側面を把握するためにも必要となる。調査から得られた知見を用いて、クチコミ伝播とマスメディアの役割を考慮したシミュレーション・モデルを構築し、メディアから各消費者への影響と、消費者間のクチコミの影響をモデル化したうえで、各消費者の経済的価値と企業のマーケティングROIをシミュレートする。この際に、工学の分野の研究協力者を募る。こうした異分野の研究者との共同研究は、応募者の過去の研究(科研費若手(B)課題番号20730284)でも行っている。 本研究では工学系の高度なシミュレーション分析とマーケティングの消費者行動分析を組み合わせることによって、クチコミ伝播のメカニズムと消費者の購買行動を把握し、クチコミおよび顧客の価値と、それによってもたらされる企業のROIを予測するモデルを目指す。こうした研究成果は日本国内のみならず、国際会議や学術誌において発信していく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度も調査・実験を設計するため、引き続き先行研究サーベイを行う。これにより、既存手法の優れた点を本研究に取り入れ、既存手法の課題を発見し、本研究で解決する糸口とする。したがって、文献の購入や国内外の学会、研究会における情報収集が必要となる。また、質的・量的調査の設計を行うに当たってコンピュータ、ソフトウェア、プリンタが必要となる。さらに、実務的貢献の高い量的調査を行うためには調査に協力する企業が不可欠である。こうした企業とのやりとりのために事務用品などの消耗品のほか、会議費、通信費、複写費などの費用に研究費を使用する。 さらに、先行研究から得られた知見をもとに本研究の仮説を精緻化し、調査・実験を行う。調査の実施にあたっては、量的調査のみならずインタビューなどによる質的調査も実施し、相互に分析結果を補完できるような工夫を施す。このため調査回答者への謝金や、記録用機器が必要となる。また、シミュレーション実験にはプログラマへの研究協力を求める予定である。 また、日本国内のみならず、海外の国際会議やジャーナルで成果を発信するため、旅費が必要となる。このほか、研究遂行のためにプリンタ用紙などの消耗品のほか、会議費、通信費、複写費などの費用が必要となるため、これらの項目に研究費を使用する計画である。
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Research Products
(5 results)