2013 Fiscal Year Research-status Report
小売業態イノベーションにおける小売サービスと組織能力の研究
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23730410
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
久保 知一 中央大学, 商学部, 准教授 (40376843)
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Keywords | 小売業態 / 小売サービス / 組織能力 |
Research Abstract |
【研究の目的と実施計画の概要】本研究の目的は、次々に各種の小売業態が生じ、小売業態のイノベーションによって競争する小売競争の動態を、小売サービスと企業の組織能力の観点から読み解くことにある。 【平成25年度の研究実績と成果】この研究目的を達成するために、40年間にわたる長期の小売業者の財務データおよびランキングについての2つの大規模なデータセットを作成した。 第1に、財務データは日経Needs Financial Questから取得し、構成されたデータセットである。このデータセットを用いて、過年度における文献研究および理論研究に基づいて、小売業者が提供する小売サービスを大きくサービス品質と価格水準とし、それらをそれぞれ売上高営業利益率と回転率を代理変数として用いて、各年度の小売競争マップを作成した。この作業によって、小売業態イノベーションに関する既存研究の仮説を裏付ける競争ポジションの変化を確認することができた。既存研究群は定性的なケース研究を中心としており、定量的な分析は本研究の成果である。 第2に、ランキングデータは、日本経済新聞社による日本の小売業調査を1970年以降について集計することによって作成された。このデータセットを用いて、生存時間分析を試みた。 上記以外の研究実績として、マスカスタマイゼーションを行っている製造小売業者を対象としたコミュニケーション・チャネル構造決定問題に関する研究を行い、英文化を行っている。さらに、定性的な研究として、小売業ヒアリングも行った。チェーンストア内部においてユニークな品揃え形成を行っている事例である北野エース(株式会社エースによって運営されているスーパーマーケット)を対象として2度、ヒアリング調査を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究代表者は、平成25年度9月より、勤務する大学より在外研究期間を取得し、米国コロンビア大学ビジネススクールにて客員研究員として滞在している。平成25年度は、渡航準備と現地での各種セットアップに手間取ったため、平成25年度に取り組んだ2つのデータセットに基づく研究成果をフルペーパーとして仕上げる十分な時間をとることが残念ながらできなかった。したがって、本来は3年間の研究期間を予定していた本研究課題を4年間に延長することとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
【今後の推進方策】主に2つの作業に取り組む第1に、平成25年度に行われた2つのデータセットに基づく実証研究をフルペーパー化する作業を行う。第2に、小売業者を対象とするアンケート調査を行う。調査実行は8月を予定しており、その際には一時帰国する予定である。 【平成25年度の研究費の使用計画】今年度の研究費909,998円は、全てアンケート調査に用いる予定である。内訳は物品費100,000円、人件費・謝金400,000円、その他409,988円である。その他の費目の主な使用目的は、アンケート発送の郵送費である。中央大学の学内規定により、在外研究期間中は旅費を執行できないため、旅費は計上していない。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初、平成25年度において、二次データから構成したデータセットの分析に基づくフルペーパー化と、小売業者を対象としたアンケート調査に基づく研究を計画していたが、当該年度中に実行することができなかった。そこで研究期間を当初の3年間から4年間に延長し、平成26年度にそれらの予算を執行することとした。 予算は全て小売業者を対象としたアンケート調査のために執行される予定である。
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Research Products
(1 results)