2014 Fiscal Year Annual Research Report
商店街を構成する中小小売業の活性化戦略と流通政策の効果に関する理論的・実証的研究
Project/Area Number |
23730411
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
峰尾 美也子 東洋大学, 経営学部, 教授 (30349930)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 空き店舗問題 / 近隣型商店街 / 地域型商店街 / 業態選択行動 |
Outline of Annual Research Achievements |
『商店街実態調査報告書』によると、空き店舗問題をはじめとする商店街の諸問題は依然として全国的に深刻で、なかでも近隣型商店街と地域型商店街の衰退が顕著であり、各商店街で様々な取組みがなされてはいるが、競合する小売店に対して十分な競争力確保に至ってはいないのが現状であることから、商店街の戦略と法制度の関連性や効果について、文献研究や消費者調査等から実証的検証を行うことが本研究の目的であった。 研究計画としては、まず既存文献のレビューに加え、種々の既存の統計データ、事例報告等を吟味して研究対象とすべき地域を抽出し、次にその抽出された地域において、独自のアンケート調査から得られたデータに基づく実証分析を行い、地域小売業に対する学術的示唆を行うものであった。 東日本大震災の影響による不安定な調査環境を鑑み、消費者調査の実施を1年間ずつ延長し、研究期間も1年間延長されたが、最終年度も消費者調査を実施した。 商店街の現状と消費者利用実態に関し、消費者調査によって得られたデータを分析することで、消費者の商店街に対する認識と利用実態を明らかにした。消費者調査のデータおよび分析から、1.商店街の業種・業態が不足している、2.消費者の商店街に対する認識・関心が低い、3.商店街で利用率が高いのは、法人企業によって多店舗チェーン展開されているような店舗が中心であり、従来の個人経営の店舗はごく一部を除いて厳しい状況にある、4.小売ミックスのほとんど全ての要素において大型店よりも総合的評価が低い、5.大型店よりも総合的評価が上回っていた「店員とのコミュニケーションの取りやすさ」においても、商店街の魅力の1つが対面販売による店主とのコミュニケーションや専門知識によるアドバイスであるとの指摘もある反面、十分に活用されておらず消費者の評価につながっていないという点などが明らかとなった。
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