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2012 Fiscal Year Research-status Report

インタラクティブ・コミュニケーション評価のための知覚相互作用性尺度の開発

Research Project

Project/Area Number 23730414
Research InstitutionChiba University of Commerce

Principal Investigator

松本 大吾  千葉商科大学, サービス創造学部, 講師 (60434271)

Keywords商学 / マーケティング / 広告 / インターネット / interactivity / 相互作用性 / マーケティング・コミュニケーション / Eコマース
Research Abstract

「企業と消費者との関係構築」を構築する上で重要なインタラクティブ・コミュニケーションの本質である、相互作用性を捉えるため「知覚相互作用性(Perceived Interactivity、以下PI)」概念に注目する。本研究では研究代表者が高く評価するJohnson et al.(2006)の議論の基盤とする。
初年度は課題(1)JohnsonらによるPI尺度の再検討として文献レビューを実施した。その議論をもとに本年度は、課題(2)日本版PI尺度の開発(日本におけるウェブサイトの新たな評価基準の作成)、課題(3)PI尺度の成果の検討(法則的妥当性の確認、ウェブサイトとブランド態度との関係の検討)に取り組んだ。
課題(2)に関して、既存研究をもとにPI概念の精緻化を行った。特にPI概念の構造と次元、PI概念が対象としているマーケティング・コミュニケーションの範囲を理論的に整理した。インターパーソナル・コミュニケーション研究のレビューを通じて、既存研究では検討されていない次元を新たに加えることとした。また日本版PI尺度の質問項目の下案を作成した。
課題(3)に関して、PI概念に関する因果モデルを仮説として作成した。PI尺度の成果として、既存研究で主に扱われるウェブサイト態度に加え、「返報性」概念を新たに導入した。さらに本研究の今後の発展性を考え、コミュニケーションに対する消費者態度の影響もモデルに組み込むことにした。その他の変数も含め、因果モデルに含まれる概念を測定する項目も作成した。
日本版PI尺度開発に当たって、PI概念の構造、次元、対象範囲の整理は必要な作業であった。質問票の下案を作成できたことは本年度の最大の成果である。加えて、仮説の因果モデルを作成したことで、本研究の全体像が明確になり、新たな研究展開につながった。PI尺度の妥当性を確認するためにも必要な作業だった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究はより信頼性と妥当性の高いPI尺度の開発に取り組む。具体的には、以下の4つの課題にまとめられる。(1)Johnson et al.(2006)のPI尺度の再検討(PIの多次元構造の再検討と安定性の確認)、(2)日本版PI尺度の開発(日本におけるウェブサイトの新たな評価基準の作成)、(3)PI尺度の成果の検討(法則的妥当性の確認、ウェブサイトとブランド態度との関係を検討)、(4)PI尺度の汎用性の検討(媒体ごとに尺度をどのように修正する必要があるかを検討)。
本年度は課題(2)と(3)に同時並行で取り組んだ。日本版PI尺度の下案作成を完了し、仮説の因果モデルを作成した。これらの作業は本研究における主要な部分を占めており、作業を完了できたことは、2年目として順調に研究が進展していると言える。課題(2)と(3)に関してはこの後、データ収集・分析という検証作業に入る。
可能であれば、本年度中に1回目のデータ収集に入りたかったが、作業完了が年度末であったこともあり、経費処理の観点から無理をせず、次年度に実施することにした。なお実施時期は次年度早々を予定している。
3年間の研究のうち2年目までに、当初予定していた4つの課題のうち、3つまですでに議論していることから本研究は順調に進展している。特に、課題(2)と(3)は本研究の中核であり、それらの理論的な議論を概ね完了できたことは大きい。データ収集にあたっての調査設計もすでに進んでおり、研究の最終年度である次年度に向けて、研究の進展を阻害する要因は見当たらない。

Strategy for Future Research Activity

次年度は上述の課題(2)と課題(3)について、本年度に作成した日本版PI尺度の下案に基づき経験的に検証を行う。
検証方法は当初Johnson et al.(2006)を参考に行うことにしていたが、一部計画を変更する。Johnsonらは調査素材として架空ブランドのウェブサイトを用いているが、本研究では実在ブランドのウェブサイトを用いることにする。新たなウェブサイト評価尺度として日本版PI尺度を開発するという目的から考えると、実在するウェブサイトを用いて検証した方が、検証方法として妥当だと考えたからである。また、こうして開発された尺度は有用性が高いとも考える。
一方で、調査素材を用いない場合、消費者の事前知識など検証する際に考慮すべき変数が増える。この点に関しては、既存研究で多く用いられている、調査参加者に課題を与える(例えば、上司にプレゼントするワインを購入するためサイト検索を行う)検証方法を応用する。すなわち、実際に特定の課題を抱える消費者をスクリーニングし、その課題に即したシナリオを与え、実在のウェブサイトを用いて検証するという方法である。以上のような方法を用いることで、ある程度統制された調査環境を維持することができると考える。検証作業として、こうした調査を複数回実施する予定である。現在すでに調査会社とスケジュールの調整を検討している。
以上の調査で得たデータについて分析する。手順は、①PI尺度の全質問項目の天井効果とフロア効果の確認、②PI尺度の各次元の内的整合性の確認(クロンバックのα係数)、③PI尺度の各次元の収束妥当性と弁別妥当性の確認(確認的因子分析)、④PI尺度の法則的妥当性の確認(構造方程式モデリングによる因果モデルの検証)の4段階である。
最後に、検証結果を踏まえて、課題(4) PI尺度の汎用性の検討について検討したい。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

次年度はデータ収集を複数回実施する。研究費の大半はそのために使用する予定である。本研究では、実際にウェブサイトを閲覧してもらい、その閲覧経験に関してアンケート調査を行う。そのためには、PCの性能や操作性、ウェブサイトの閲覧時間を統制し、調査協力者を同じ環境で調査することが望ましい。したがって、会場に調査協力者を集めて調査を行う手法であるCLT(Central Location Test)を用いたいと考えている。
一方で、前述の通り、申請時に予定していた方法から一部変更した。すなわち、調査素材を作成するのではなく、実在のウェブサイトを使用しての調査を検討中である。実在のウェブサイトを用いるため、可能な限り多くの種類のウェブサイトを調査対象としてデータを収集したいと考えている。調査環境の統制の問題と、調査対象とするウェブサイト数とのバランスを検討し、最終的にCLTを実施するか(この場合、調査環境の統制は確保できるが調査対象サイト数が少なくなる)、インターネット調査による実施か(この場合、調査環境の統制に工夫が必要であるが、調査対象サイト数が多くなる)を検討し、予算執行したい。

  • Research Products

    (1 results)

All 2012

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] ウェブサイトにおけるメディア・エンゲージメントの有効性2012

    • Author(s)
      中野香織、松本大吾、五十嵐正毅、石崎徹
    • Organizer
      日本ダイレクトマーケティング学会第11回全国研究発表大会
    • Place of Presentation
      城西国際大学
    • Year and Date
      20120721-20120721

URL: 

Published: 2014-07-24  

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