2013 Fiscal Year Annual Research Report
インタラクティブ・コミュニケーション評価のための知覚相互作用性尺度の開発
Project/Area Number |
23730414
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Research Institution | Chiba University of Commerce |
Principal Investigator |
松本 大吾 千葉商科大学, サービス創造学部, 講師 (60434271)
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Keywords | 商学 / マーケティング / 広告 / インターネット / interactivity / 相互作用性 / マーケティング・コミュニケーション / Eコマース |
Research Abstract |
本研究は「企業と消費者との関係」を構築する上で重要なインタラクティブ・コミュニケーションの本質である、相互作用性を捉えるため「知覚相互作用性(Perceived Interactivity、以下PI)」概念に注目、より信頼性と妥当性の高いPI尺度を開発することを目的とする。研究実施計画は (1)本研究が基盤とするJohnson et al. (2006)の再検討、(2)日本版PI尺度の開発、(3)PI尺度の成果の検討、(4)PI尺度の汎用性の検討、で構成される。 最終年度である今年度は、課題(2)と(3)についてデータに基づき検証した。PC向けサイトを対象に調査を実施した結果、7次元26項目で構成される日本版PI尺度の開発に至った。当該尺度の特徴は「情報開示」次元と「傾聴感」次元を導入した点にある。当該尺度の精緻化、一般化を目指し、製品カテゴリーとサンプル数を増やした再調査も実施した。 課題(4)について、スマートフォン向けサイトを対象にした調査も実施、統計的に尺度の適用可能性を確認した。関連研究として、ウェブサイトにおける「情報開示」と「傾聴感」が消費者に及ぼす影響も検証した。 その他、前年度までの議論を論文にまとめた。インタラクティブ・コミュニケーションが求められる背景と、広告及びマーケティング・コミュニケーション研究の方向性についても整理した。 研究期間全体を通じた最大の成果は、日本版PI尺度の開発である。実用性重視の調査設計、一般化に向けた幅広い製品カテゴリーと大規模サンプルによる確認、汎用性の確認は当該尺度の価値を高めている。学術的には当該尺度の多次元構造が相互作用性を捉える視点となる。PI概念の広範なレビューと、インタラクティブ・コミュニケーションが求められる背景の整理も学術的に重要である。企業ウェブサイトの在り方に新たな視点を提示できたことが最大の実務的貢献である。
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Research Products
(6 results)