2013 Fiscal Year Research-status Report
有向ネットワークによるブランド知識分析-参入順位別の知識構築戦略の検討-
Project/Area Number |
23730417
|
Research Institution | Kanto Gakuin University |
Principal Investigator |
佐藤 志乃 関東学院大学, 経済学部, 講師 (20409626)
|
Keywords | 消費者行動 / 消費者知識 / ブランド戦略 / 参入順位 / 有向ネットワーク / マーケティング / ブランド知識 |
Research Abstract |
本研究は「ブランド想起を高める知識構造はいかにして構築されるのか」という問題意識のもと、有向ネットワーク分析を用いてブランド知識の構造と動態について検討するものであり、次の3点を主要な研究目的とする。 1)別の次元で扱われてきたブランド連想(ブランド→関連概念)とブランド想起(関連概念→ブランド)を有向のネットワークとして分析することによって知識ネットワークの双方向性を統合的に扱い、知識ネットワークの形成プロセス(動態)を明らかにする。 2)参入順位がブランド知識構造に与える影響を明らかにし、データに基づいて後発ブランドの知識構築プロセスのパターンを抽出・類型化し、後発の戦略的可能性についての知見を導出する。 3)マッピング手法に代わるものとして、有向ネットワーク分析に基づく戦略立案の在り方を提案する。 本研究は4ケ年計画であり、次の①~④の手順で研究を進めている。①事前分析および分析手法の策定 ②事前調査 ③本調査 ④分析(テキストマイニングおよび知識構造に関する分析) 具体的には、トクホ飲料に関する消費者知識を中心にデータを収集・分析を行っている。同市場は、トクホのコーラのヒットによりサブカテゴリ市場が創造されつつあり、また既存の有力ブランドがトクホ飲料にブランド拡張するなど市場の動きが活発である。そうした点からも消費者知識の変化を観察する対象として貴重な知見を得られる可能性が高いと考えられる。 前年度までのデータ収集・分析の成果の一部を論文として発表している。本年度も引き続き定期的にデータを収集しつつ(②~④事前調査、本調査、分析)、これらの研究成果をまとめるステップに入る予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
・前年度に引き続き、データの収集を定期的に実施し、分析作業を行っている。 ・また、その成果を一部論文にして発表している。 25年度中に、それまでに複数回に渡って収集してきたデータを分析し、その成果の一部を論文および学会等で発表した。それと並行して、定期的にデータの収集を行い、順次分析作業を行った。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究は、収集してきたデータの分析および成果発表が中心となる。 ただし、これまでデータ収集・分析対象としてきたトクホ飲料の分野においては、まだ大手による新商品の投入が頻繁に行われており、こうした動きが消費者知識にも大きな影響を及ぼすことが予測される。データの収集・分析を継続しつつ、研究成果のとりまとめを行う予定である。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
●調査期間・回数を予定より増やしたため 調査対象分野のデータ収集を可能な限り長期間にわたって、定期的に収集を続け、経過を観察することが研究上必要かつ有効であると判断したため、これまで毎回にかかる調査費用をできる限りおさえるようつとめた。当初は、データ収集は25年度までと予定していたが、最終年度もデータ収集を継続できるように各年度の予算の配分を変更した。 本研究はデータの収集・分析が研究の柱であり、調査実施費用(実査業務依頼費)が研究経費の大半を占める。それ以外には分析に必要な広告出稿量データ収集のためのデータベース閲覧利用、販売量データの購入であり、研究成果のとりまとめにおける総合的な分析に欠かせないものである。 本年度の主な使用計画としては以下の3点である。 1)調査(データ収集)の実施費用(実査業務依頼費)2)基礎データ購入費(広告出稿量や販売量データ)3)学会発表のための出張費
|