2012 Fiscal Year Research-status Report
マーケティング・コミュニケーションにおける原産国効果に関する国際比較研究
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23730418
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Research Institution | Yamanashi Gakuin University |
Principal Investigator |
日高 優一郎 山梨学院大学, 現代ビジネス学部, 准教授 (90550335)
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Keywords | 原産国効果 / グローバル・マーケティング / 産地イメージ |
Research Abstract |
本研究の目的は、原産国表示をつうじたマーケティング・コミュニケーションをグローバル展開する際に課題となる点や、課題を克服するための示唆を提供することである。 このような研究目的に対して、第1に、本研究では国際比較研究を行うことで示唆を提供することを目指している。本年度は、国際比較研究に向けた準備を行った。具体的には、当初計画していなかったものの、研究を進展させていく中で、国際比較の対象として日中比較を実施する段取りが整ったため、当初の計画から派生した研究として、新たにその準備を中心として研究を遂行した。質問票を日中両国で配布してその結果を比較する計画は当初なかったものの、当初の計画に加えてこのような日中比較を実施することで、分析結果の妥当性を高めることにつながると考えられる。 第2に、消費者に多様な影響を与えている産地イメージがどのように構築されるのか、その構築プロセスに関する研究をすすめた。具体的には、山梨県で行われているワインツーリズムの事例を取り上げ、甲州ワインや、甲州ワインの産地である山梨の産地イメージを高める取り組みの中で、何がどのように課題として認識され、課題克服がどのように行われてきたのか検討することで、産地イメージの構築に関する示唆の提供を図るものである。産地イメージの構築プロセスに関する検討は、例えば日本製品のイメージのより一層の向上や地元産業の活性化を図る際の手掛かりを提供しうるという点において意義があるものと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、国際比較研究を実施することを当初計画していた。「研究実績の概要」でも言及したように、研究を進めていく中で当初予定していた対象とは異なる国を対象として新たな質問票調査を実施できることになり、本年度はその準備を進めてきた。当初計画していた質問票調査についても、調査結果の妥当性が高められるよう慎重に準備を進めているところであり、新たな調査を実施することで、当初計画していた調査の進行が著しく妨げられるといったことは生じておらず、来年度も鋭意研究を進めていく予定である。さらに、本年度からはこれまで蓄積してきた研究成果を公表することにも取り組み始めている。それらの取り組みの一部は、例えば学会での発表のアクセプトというかたちで徐々に成果に結びつきつつある。来年度は本研究の最終年度であり、当初の研究計画調書でも言及しているとおり研究成果の公表が来年度の活動の大きな柱の1つとなる。学会発表に加え、査読誌への投稿プロセスを進めていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策としては、第1に今年度得られた新たな研究を推進することである。日中比較のための質問票は概ね作成が終わった段階であり、今後具体的な配布計画を精緻化してデータの収集を行い、分析を進める計画である。 第2に、当初配布を予定していた質問票については、こちらは配布の計画は概ね整理されているため、次年度中に配布するとともに、分析を進める。 第3に、これらの研究成果の報告である。今後、これまで本研究において得られた成果を、学会を中心に発表していく予定である。すでに、いくつかの学会で発表のアクセプトを得ており、これらについては次年度の成果として報告できる予定である。加えて、本研究に関連する成果を学会誌に投稿中であり、こちらについても鋭意投稿プロセスを重ねていく計画である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度の研究費に関する使用計画の概略としては、まず第1に質問票調査に係る経費が予想される。質問票を確定させ次第配布する計画である。「研究実績の概要」の項目でも言及した通り、当初計画してた質問票調査に加え、新たな質問票調査を実施することが可能になり、来年度実施することを計画している。こちらの予算については、本研究の拠出可能額を勘案し、当初計画していた質問票調査の実施に支障が生まれないことを確認の上で使用計画を立てているところである。 第2に、研究成果の報告に係る経費である。来年度は本研究の最終年度に当たるため、これまで蓄積してきた成果を学会を中心に報告していく予定である。このため、学会に参加するための費用が生じることが予想される。すでにアクセプトされ、来年度発表を予定している学会もあるが、こちらの予算は、当初の計画の中で盛り込まれているものである。 第3に、研究成果に関する他の研究者や実務家との対話に関する経費が予想される。本年度は、研究計画調書でも言及のとおり、本研究で得られた結果に関して他の研究者や実務家との対話を行うことで、結果の示唆の深い理解や、さらなる研究課題の必要性を明らかにする予定である。こうした対話を行う中で、交通費や専門的知識の提供に対する謝金などの経費が生まれることも予想される。
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