2011 Fiscal Year Research-status Report
オンラインにおける社会的相互作用と信頼形成の実証研究とそのマーケティング利用
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23730423
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
岸谷 和広 関西大学, 商学部, 准教授 (40330170)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | コミュニティサイト / インターネット |
Research Abstract |
本研究は、ウェブサイトにおける社会的相互作用と信頼形成のメカニズムを理論的に明らかにし、実証研究を行うことである。それと同時に、そのマーケティング利用として、実務上の実践的な含意を明らかにすることである。具体的には、ウェブ上における社会的相互作用のパターン、そのパターンと信頼性、そして、オフライン上の相互作用との関係を三つの支店から理解することを目的としている。そうした目標に従い、本年度は、実証研究を行うための理論的検討を行った。ウェブ上の社会的相互作用のパターンとして、情報探索型と社会的接触型を導出した。多くの研究は、この二つの動機、そして行動パターンから消費者のウェブ行動が記述されている。この二つのパターンとウェブ上での人間関係の強弱との関係を理解した。もう一つの分類軸として、サイトの特性として、同期/非同期という視点を導出した。通常のいままでのウェブサイトの理解では、同期こそが対面的な相互作用を近似するために、適切なサイト特性として理解されていた。しかしながら、消費者の利便性を考慮した場合、非同期というサイトの特性が有効な場合が存在する。こうした理論的枠組みの中で、フェイスブックやツイッター、アメブロなどのブログ、グルーポンなどのクーポンサイトを位置づけ、さらにその理論的検討を重ねた。こうした作業は、つながりという抽象的な概念で理解されがちなウェブサイトの分類にサイト特性を理解することで精緻化し、様々なウェブサイトが存在するなかでその網羅性を高めるためにも有効であるといえよう。それにより、最終的な目標である実証研究につなげることができる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
理論的な文献研究は、社会的相互作用に関する基本的な理解、そして、社会学やクロスメディアの文献でのサイト特性や消費者の累計などの理解などおおむね研究計画書通りに進展している。しかしながら、本研究では、実証研究でおこなう尺度開発までを視野に入れていたが、フェイスブックというSNSサイトが日本においても台頭しつつある中、理論的な枠組みに適合するかどうかを判断するために、そのサイトの研究に時間を割り当てることになる。結果的に、さらなる理論的な枠組みを深化させることができたが、その反面、尺度開発までは進まなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度の研究は、今年度予定行うはずであった尺度開発、そしてプレテスト、それをうけての実証研究を行うことを予定している。24年度前期に関しては、理論的検討された尺度を用いて、グループインタビューを行いながら尺度開発を行い、同時にモデルの最終的な調整を行う。ただし、消費者に特定のウェブサイトを念頭に置いたサーベイ調査を予定はしているが、因果関係を明確に理解するために、ウェブマテリアルの開発も視野に入れている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度は、消費者の質問票に際して利用する尺度開発まで行わなかったので、グループインタビューなどの定性的な調査などの予算を執行しなかった。また、海外研究者の専門的な助言を受けなかったために海外旅費も執行をしなかった。それゆえ、次年度では、その未執行分を執行することを予定としている。それを執行すると同時に、次年度の研究予算に計上されている消費者に対しての質問票調査を執行する。また、ウェブマテリアルの開発にも研究費を執行する予定としている。
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Research Products
(4 results)