2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23730428
|
Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
野間 幹晴 一橋大学, 大学院国際企業戦略研究科, 准教授 (80347286)
|
Keywords | 近視眼的行動 / 経営者の在任期間 / 研究開発投資 / 経営者予想 / アナリスト予想 / ハーディング / コンセンサス |
Research Abstract |
平成25年度は、大きく3つの研究成果が得られた。 第1に、ショートターミズムに関する先行研究について、包括的にレビューを行った。その結果、次の4点が明らかになった。第1に、経営者は利益ベンチマークを達成するために、R&D投資を裁量的に削減しているということである。第2に、こうした裁量的行動を抑止するためには、経営者に株式を保有させることや、洗練された投資家や安定株主による株式保有、アナリストによる調査が有効であることが確認された。一方で、負債比率が高ければ、R&D投資が削減される可能性が高まることが明らかになった。第3に、ベンチマーク達成などのためにR&Dを削減した結果、将来の業績や株価は低下するのである。第4に、米国で近視眼的行動を誘発していると批判の対象となった経営者予想を俎上に載せ分析した先行研究からは、経営者予想を中止しても経営者がより長期的な投資を行うわけではないことなどが明らかにされた。 第2に、近視眼的行動の1つの要因として挙げられる業績予想の開示制度をめぐる実証研究を行った。まず、経営者予想公表後のアナリストの予想修正行動とアナリスト予想の有用性について分析を行った。その結果、経営者予想が公表されるとアナリストは直ちに経営者予想に近い業績予想を公表することが確認された。またQUICKコンセンサスとIFISコンセンサスを比較し、予想精度や価値関連性を検証した。 第3に、日本企業の経営者がグローバルなエクセレント企業と比較して、任期が短いことを明らかにした。このことは、日本企業の近視眼的行動に関連していると考えられる。
|
Research Products
(7 results)
-
-
-
-
-
-
[Book] International Perspectives on Accounting and Corporate Behavior2014
Author(s)
Kunio Ito, Makoto Nakano, Yusuke Takasu, Souhei Ishida, Tetsuyuki Kagaya, Takuma Kochiyama, Yukari Takahashi, Shigeaki Sawada, Keishi Fujiyama, Hyonok KIm, Yuki Tanaka, Mikiharu Noma, Tomohiro Suzuki and Shoichi Tsumuraya
Total Pages
335(261-283)
Publisher
Springer
-