2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23730429
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
赤塚 尚之 滋賀大学, 経済学部, 准教授 (30386536)
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Keywords | 最頻値 / 中央値 / 期待値 |
Research Abstract |
伝統的に最頻値が用いられ、現在IASBが期待値の一律適用を提案している非金融負債の測定における最頻値、期待値、中央値の選択について検討を行った。 まず、最頻値、期待値、中央値が適用されている非金融負債基準を概観し、最頻値、期待値、中央値の統計学的な特性と、それに基づく会計測定上の特性を明らかにした。その際の視点として重要となるのが、決済概念と決済損益情報である。決済概念には最終的な決済概念と現時点の決済概念があり、前者は最頻値および中央値と、後者は期待値と結びつく。また、決済損益については、発生確率の低減に着目すれば最頻値が、発生額の低減に着目すれば中央値または期待値が適合的である。以上の前提およびその他の条件(階級幅、会計単位、外れ値の取扱いなど)をふまえ、最頻値、期待値、中央値が適合的となる状況を明らかにした。 そして、それより、いずれの状況においても適合的となる万能な値は存在しないこと、期待値の適用については概念から一律適用が説明可能であることを、示唆とした。そして、期待値の適用については、会計基準設定主体に大きなインセンティブがあることについても言及した。 その他、検討に際して考慮しなかった保守主義、測定誤差、長期項目の取扱い、簡便法についても言及した。
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