2013 Fiscal Year Annual Research Report
キャッシュフローの配分計算としての会計上の利益計算と企業結合会計における測定問題
Project/Area Number |
23730440
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Research Institution | Atomi University |
Principal Investigator |
山下 奨 跡見学園女子大学, マネジメント学部, 助教 (40508446)
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Keywords | 企業結合会計 / 取得法 / のれん / 利益計算 / 投資の性質 / 資産負債評価 |
Research Abstract |
本研究は、企業結合会計の測定問題について利益計算の観点から再検討するために、利益計算に関する概念的な検討、利益計算と整合的な測定方法の検討、および具体的な測定問題の検討という3つに分けて調査を行うものであった。 最終年度の研究の成果は、主に具体的な測定問題の検討に関するものであり、具体的には次のとおりである。取得法において特徴的なのれんを中心に、徐々に増えつつあるIFRS(国際財務報告基準)を任意適用する日本企業の連結財務諸表の注記を調査した。期末決算において日本基準からIFRSへ移行した任意適用企業8社のIFRSの初度適用の注記を観察し、その傾向を見たうえで、IFRSの初度適用の注記でほとんどの企業で取り上げられているのれんについて、連結財務諸表に対する影響を分析した。その結果、純資産のれん比率や営業利益のれん償却比率等を通して、連結貸借対照表においても連結損益計算書においても、のれんの非償却は影響がないとはいえないことがわかった。当該研究は、日本企業のIFRSへの移行の動機等の研究につながりうるものであり、今後の蓄積が俟たれる。 研究期間全体を通じて実施した研究の成果としては、前述の日本企業のIFRSの初度適用とのれんの影響の研究のほか、利益計算に関する概念的な検討、利益計算と整合的な測定方法の検討と具体的な測定問題の検討にわたるものとして、取得法に端を発するIASB(国際会計基準審議会)の負債プロジェクトに問題意識とした負債の測定と損益計算の研究および投資の性質に着目した資産負債評価の再整理の研究がある。資産負債評価の再構成を試みたところに意義があると考えられる。体系的にまとめることについては、今後の課題としたい。
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Research Products
(1 results)