2012 Fiscal Year Annual Research Report
管理会計指標の収集状況および測定方法に関する調査研究
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23730450
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
河合 隆治 同志社大学, 商学部, 准教授 (30368386)
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Keywords | 管理会計 / 業績測定 / 企業の情報収集 / 財務指標 / 非財務指標 / リスク管理 / バランスト・スコアカード / 質問票調査 |
Research Abstract |
本研究の目的は、管理会計指標で利用される財務情報および非財務情報について、さらに、細かく分類をし、各種情報に関する収集状況、測定方法について明らかにすることである。 本目的を達成するために、本研究では、第一に、質問票調査の基礎となる管理会計指標によって測定される財務情報および非財務情報を用いた業績測定システムに関する既存文献について網羅的な文献レビューを実施した。具体的には、まず、1992年から2010年までにわが国主要会計雑誌、欧米主要会計雑誌に掲載されたバランスト・スコアカード関連論文を対象として文献分析を行った。文献分析を通じて、欧米主要会計雑誌では利用局面に重きが置かれ、経済学や心理学を援用した研究が蓄積されつつあり、わが国においてもこれらの研究を参照することによって、業績測定の実態に関する研究が豊富化できることを示した。また、企業が業績測定指標を選択する要因として、戦略との関連性、環境特性、マネジメントコントロール特性、指標の持つ特性、評価に関する特性、利用特性について検討を行った。 第二に、上述の文献渉猟を踏まえて、質問票調査を実施した。質問票は、東証一部および東証二部に属する建設業を除く製造業1043社に送付した。回収率は15.9%であった。質問票では、わが国企業のリスク管理および業績管理の実態、「企業全体の収益性」、「各部署のコスト効率性」、「顧客」、「生産業務」、「品質」、「提携業務」、「研究開発」、「従業員」、「環境対策」、「社会的評価」に関する測定方法および情報収集状況について調査を行った。その結果、情報の種類による、重要性、客観性、収集コストの違いが情報収集状況に影響を与えていることが示された。 上記研究に加えて、派生的な研究として、一企業ではなく組織間にまたがる財務情報および非財務情報を利用した業績管理に関する研究についても進めることができた。
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