2012 Fiscal Year Research-status Report
実体的・会計的利益制御の同時関係に対するガバナンスの影響の分析的・実証的研究
Project/Area Number |
23730451
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
松浦 総一 立命館大学, 経営学部, 准教授 (50554317)
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Keywords | 利益マネジメント / 実体的利益マネジメント / 会計的利益マネジメント |
Research Abstract |
当該年度の9月より,University of WashingtonのFoster School of BusinessにVisiting Scholarとして滞在し,Ph.D.コースの講義に出席し,会計学研究で最も評価の高いFoster Schoolの研究者養成コースで最先端の研究領域を学習することに努めている。実証研究の手法は日々進化しており,トップジャーナルと言われる北米の会計雑誌に論文を掲載させるためには,その最新手法と重要なテーマを選択する必要がある。この在外研究はトップジャーナルに掲載される論文を量産する研究者を多数輩出しているビジネススクールで,それらの研究方法やテーマ選択といった内容を習得できる貴重な機会である。 また,国際会計基準の導入が進むにつれ,経営のあり方にも影響を及ぼしている。この影響を実証的に研究した会計研究は,経営学の議論を取り入れることで研究を拡張させている。この会計学と経営学の接点を議論するため,フランスのパリで開催された「The Workshop on new analysis of expatriation」に参加し,議論を行った。 現在,Ronen and Yaari (2007)「Earnings Management」Springerの翻訳を進めている。本書は利益マネジメント研究の包括的なサーベイを行っており,実証のみならず分析的な研究をも網羅した貴重な一冊である。本書の著者の一人であるJoshua Ronenニューヨーク大学教授と5月にトルコで開催された「World Continuous Auditing and Reporting Symposium」で翻訳に関する議論を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
9月よりアメリカ合衆国ワシントン大学に滞在しているため,データベースの整備が一部遂行できない状態である。そのため,論文のサーベイと仮説構築を中心に進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
翻訳書を本年度中に完成させる。TeXによる組版で翻訳書を作成しており,本文の翻訳はほぼ完了している。図表の作成と参考文献リストの作成を本年度中に終了させる予定である。 アメリカ滞在中に整理した「損失企業による会計的最良行動に関する実証研究」に関するサーベイ論文を発表する。そのサーベイに基づいた実証研究を行うためのデータベースの整備を2013年9月末の帰国後に遂行し,実証研究を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
主に学会参加の旅費として用いる。参加予定学会は,American Accounting Association(アメリカ合衆国カリフォルニア州),Asia-Pacific Conference on International Accounting Issues (インドネシア共和国),International Conference Business, Economics, and Information Technology(開催地未定)である。 残額は,国内研究会(分析的会計研究会,PATW,神戸大学税務・会計研究会)への旅費と研究図書に用いる。
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