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2012 Fiscal Year Research-status Report

市民参加に対するイメージと参加行動-国際比較調査による検討-

Research Project

Project/Area Number 23730466
Research InstitutionYamagata University

Principal Investigator

山本 英弘  山形大学, 教育文化学部, 准教授 (20431661)

Keywords政治参加 / 社会運動 / 参加イメージ / 政治意識 / 国際比較調査 / インターネット調査
Research Abstract

本研究課題は、国際比較調査を通して、人々の社会運動や政治参加に対するイメージと実際の参加行動との関連を明らかにすることである。今年度は、日本における調査を行った。
調査結果の概要は下記のとおりである。日本人の社会運動イメージは、運動の効果と運動に対する秩序不安感によって下記のように類型化できる。A)運動の効果を認め秩序不安を抱かないタイプ、B)運動の効果を認めるが秩序不安を抱くタイプ、C)運動の効果を認めないが秩序不安を抱かないタイプ、D)運動の効果を認めず秩序不安を抱くタイプ、そして、E)判断を保留する(わからない)タイプである。
各タイプの特徴については、次のような結果が得られた。1)運動の効果を認め秩序不安を抱かないタイプは、年代が高いおよび学歴が高い。2)運動の効果を認めるが秩序不安感を抱くタイプは、女性に多い。3)判断を保留するタイプは、女性および収入が低い層に多い。
また、各タイプと政治参加との関連については、下記のような結果が得られた。1)運動の効果を認めるタイプで様々な政治参加がなされている(秩序不安がない方が参加がより行われている)。2)運動の効果を認め秩序不安を感じないタイプで、抗議集会やデモは社会的に許容され、かつ、自分自身が参加することを肯定する意見が多い。3)運動の効果を認めるが秩序不安を感じるタイプでは、抗議集会やデモは社会的に許容されるが、個人的には参加しないという許容度のギャップがみられる。4)運動の効果を認めないタイプでは抗議集会やデモは社会的に許容されず、自分自身も参加しないという意見が多い。
以上のことから、社会運動による秩序不安感が、運動の効果を認めていても参加を阻害する可能性があることが示唆される。今後、国際比較調査により、このような秩序不安感が各国に共通するものなのか、また、どのようなメカニズムで形成されるのかを探究していく。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本年度は当初の計画通り、政治参加に対するイメージと参加行動の日本調査を実施した。上述の研究実績に示したように、この調査により、日本人の社会運動や政治参加に対するイメージを捉えることができ、政治意識との関連や参加行動との関連を分析しているところである。本年度中に研究成果を公表するまでには至らなかったものの、次年度中に学会発表や論文投稿を行う見通しは立っている。そして、次年度に予定通り、海外調査を行う準備を進めている。以上のことから、現在までのところ、本研究課題はおおむね順調に進展していると判断する。

Strategy for Future Research Activity

次年度は、日本調査に引き続き、欧米(アメリカ)、東アジア(韓国)においても調査を実施する。これにより、国際比較分析によって、各国の社会運動や政治参加に対するイメージや実際の参加行動との関連を明らかにする。とりわけ、日本調査で得られたような社会運動に対するイメージが海外調査からも得られるのかどうか、それに伴い海外と日本では社会運動や政治参加のパターンに相違がみられるのかを明らかにする。
一方で、本研究課題の一連の調査はインターネットを介して行うが、そのバイアスの可能性については様々な指摘がなされている。こうしたバイアスを考慮したうえで確かな知見を導出できるような方法論的配慮を行うための準備を進めていく。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

次年度は、日本と比較可能な設計の下に、アメリカおよび韓国においてインターネット調査を行う予定である。したがって、研究費の大半は、これらの調査を遂行するための費用に充てられる。調査はリサーチ会社に委託して行うため、「その他」の費目が占める割合が大きくなる。また、次年度の調査を充実したものにするために、今年度の研究費の一部を次年度に繰り越している。リサーチ会社との下交渉においては、当該年度の研究費で2つの調査を実施することが可能であることを確認している。
それ以外については、資料整理・分析補助のための謝金、学会発表のための旅費、研究資料の購入などを予定している。

  • Research Products

    (2 results)

All 2012

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] ロビイング戦術の階層構造2012

    • Author(s)
      山本英弘
    • Journal Title

      年報政治学

      Volume: 2012年2号 Pages: 181-201

    • Peer Reviewed
  • [Book] 現代日本のNPO政治-市民社会の新局面-2012

    • Author(s)
      辻中豊・坂本治也・山本英弘編
    • Total Pages
      313
    • Publisher
      木鐸社

URL: 

Published: 2014-07-24  

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