2013 Fiscal Year Research-status Report
現代の地域社会における一時的定住民の社会的動態についての調査研究
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23730488
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
井戸 聡 愛知県立大学, 日本文化学部, 准教授 (40363907)
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Keywords | 社会学 / 地域社会 / 労働 / 余暇 / 観光 |
Research Abstract |
本研究は現代の特に観光化や地域活性化の進展する地域社会において特徴的に観察される流動性・移動性の高い社会的存在の集合を事例として取り上げ、この社会的集合を構成する人々の社会的動態、当該集合の社会的機能、地域社会との相互作用の実態について、フィールドワーク法により、その社会的動態と社会意識のあり方、社会的機能、地域社会との社会的相互作用について明らかにすることを目的としている。 本研究では、長野県白馬村および愛知県豊根村・北海道ニセコ町において一時的定住民に関する質的調査を中心とした調査を行う。 今年度は、次のような研究を行った。 調査地の一時的定住民は趣味的な縁というネットワークを介して移動やコミュニケーションを行い、場合によってはコミュニティを形成している。その趣味的な関係性について、また趣味と労働の関係性についての理論的な考察を行った。趣味的な関係性においては人間関係の同質性と多様性が獲得される可能性があり、そのなかで価値観やアイデンティティの組み替えが起こる可能性があるほか、現代的な流動化社会において重要な人間関係資本となっていることが考察された。 また、一時的定住民を送り出すエージェントとしての派遣企業での聞取りを行い、その社会的性格についての考察の素材となるデータを得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は当初計画していた現地調査が、調査対象者の都合により実施できなかったため。予定していた現地調査は次年度に行うこととし、理論的な考察を進めることに努めた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度予定していたが実施できなかった現地調査を、長期休業期間などを利用して行う予定である。現地調査は長野県白馬村・北海道ニセコ町での調査を行う予定である。 また、移動と定住に関する理論的な考察等を進め、調査データと照らし合わせつつ、発表の準備を進めていく予定である。 年度後半は、これまでの研究内容を論文としてまとめ、また、研究内容を学会発表で行うための準備を進める予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度予定していた現地調査が調査対象者の都合により実施できなかったため。 本年度予定していたが実施できなかった現地調査を中心に研究費として使用する予定である。
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