2013 Fiscal Year Research-status Report
ひとり親家族の社会的自立に向けた総合的研究ー母子・父子・子どもの貧困の視点から
Project/Area Number |
23730514
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
丹波 史紀 福島大学, 行政政策学類, 准教授 (70353068)
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Keywords | ひとり親家族 / 社会的自立 / ワークフェア |
Research Abstract |
本研究は、ひとり親家族の社会的自立に向けた総合的研究である。研究代表者は、本研究以前の平成18年度と平成20年度に就労支援を受けたシングルマザーの追跡調査を行ってきた。こうした経年的調査によって、ひとり親家族の社会的自立が就労支援だけでは実現できず、生活全般に対する総合的支援を行う必要性を調査研究を通じて明らかにしてきた。 本研究では、こうした就労支援を受けた母子家庭への経年的調査を継続するとともに、児童扶養手当受給対象となった父子家庭への調査、さらにはこれまで見落とされがちであったひとり親家族の子どもへの調査研究を実施することにより、「ひとり親家族」全体の就労・生活・子育て等の課題を検証することが目的である。本研究を通じ、貧困・低所得からの脱却と就労支援偏重の日本型ワークフェア政策の課題を明らかにし、総合的なひとり親家族支援のための政策形成に寄与するのがねらいである。 本年度は、これまで行ってきた「貧困・生活保護制度問題研究会」などを通じて研究発表を行うなど、研究成果の発表などに努めた。なお、東日本大震災による影響により、調査研究のフレームを見直さざるを得ず、震災によって避難を余儀なくされ、家族が離散した「母子避難」などの新しい課題についても調査研究の対象にした。 なお、本調査研究における研究成果として、鈴木庸裕編『震災復興が問いかける 子どもたちのしあわせ―地域の再生と学校ソーシャルワーク―』(ミネルヴァ書房,2013)などがあり、子どもの視点から震災復興について検討する論考なども発表している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
東日本大震災の影響により調査スケジュールの変更が余儀なくされ、調査実施時期にやや遅れが生じている。そのため、研究計画の見直しと調査関係先との調整を行い、調査研究が着実に進められるよう、その準備をしている。
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Strategy for Future Research Activity |
調査研究における研究対象、研究方法の若干の見直しと、東日本大震災における新たな社会的課題にも注目しながら、ひとり親家族の社会的自立に向けて引き続き調査研究を進めてまいりたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
調査研究を実行するため。 調査旅費および謝金等に使用したい。
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