2014 Fiscal Year Annual Research Report
慢性疾患患者を対象としたピアサポートの提供者の技術形成と支援に関する研究
Project/Area Number |
23730515
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
米倉 佑貴 岩手医科大学, 医学部, 助教 (50583845)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 国内学会発表 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,保健医療領域,特に慢性疾患患者のケアのためのピアサポート活動において,(1)ピアサポーターがサポートを提供する上での困難およびその困難を解決するための支援ニーズを明らかにすること,(2)ピアサポーターの技術の習熟プロセスおよび習熟に影響を与える訓練内容を明らかにすることを目的としている. 平成26年度は平成25年度に実施したピアサポート提供者を対象とした質問紙調査の結果を日本公衆衛生学会総会で報告した.また,質問紙調査を継続し,47名から回答が得られ,平成25年度の実施分とあわせて70名から回答を得た. データの集計の結果,「精神的に疲れる」「責任が重い」「家族に迷惑をかける」ことに負担を感じるピアサポート提供者が多いことが明らかになった.活動期間の長さや活動頻度の多さ,ピアサポート活動に対する満足度の高さ,精神健康の良好さとピアサポート技術の高さが有意に関連していた.また,収入を伴う仕事を有する者の方がピアサポート技術が高い傾向が認められた.さらに,相談事例の共有・検討に参加している者でピアサポート技術が高い傾向が認められた.ピアサポート活動に対する満足度は学歴が大卒以上,活動に対する報酬を受け取っている群で高く,満足度の高さは慢性疾患が発症してからの期間の長さや精神健康の良好さと関連していた.これらの結果からピアサポート提供者は概ね活動に満足感を感じており,ピアサポートの提供に必要な技術を十分に持っていると考えられた.今後は本研究で得られた知見を元に,ピアサポート提供者の技術や活動に対する満足度をより一層高めるための方策を実施することが期待される.活動に伴う負担に関しては,ピアサポート提供者はサポート提供者としての責任に負担感を感じておりこうした負担を軽減するための支援が必要な可能性があると考えられた.
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Research Products
(1 results)