2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23730518
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
中村 賢治 滋賀医科大学, 医学部, 非常勤講師 (00541624)
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Keywords | 障害者福祉 / 作業関連運動器障害 / 盲ろう者 |
Research Abstract |
盲ろう者のコミュニケーション・生活支援を行っている通訳・介助員の作業負荷や健康状態については、明らかになっていない。そこで疫学調査を通じてその実態を明らかにし、通訳・介助員が健康で円滑に盲ろう者を支援できるような方策を検討した。 23年度は、兵庫県と滋賀県の通訳・介助員を対象にした質問紙調査と聞き取り調査を行い、その結果を基に次年度の調査票を作成した。24年度は、各都道府県にある通訳・介助派遣事業所に登録されている通訳・介助員940名を対象にして質問紙調査を行った。回答者は575名(回収率61.2%)で、91.1%は女性であった。平均年齢は56.2才(SD±9.8)で、60歳以上が40.9%.通訳・介助員以外に仕事をしている者は71.4%。通訳・介助の頻度は平均4.0回/月(±3.5)で、最多は24回/月。通訳・介助1回あたりの時間は、平均3.2時間(±1.6)であった。部位別自覚症状では、いつも、もしくは時々痛むと回答した者の割合は、肩が49.4%、頸が38.4%、背が29.8%、腕が31.9%、手指が21.7%、腰が52.9%であった。派遣頻度が月2回以下の低頻度群(n=241)、月2回を超え、4回以下の中頻度群(n=158)、月4回を超える高頻度群(n=153)に分けて痛みや疲労症状の訴え率を比較したところ、高頻度群ほど通訳・介助した日の疲れや、肩、頸、背、腕、手指の痛みの訴え率が高く、有意な差が認められた。また、最も多く使う通訳方法の上位5位までで群分けして症状を比較したところ、有意な差が認められた。以上より、通訳・介助作業により、頸肩腕障害症状が強まっている関連性が示唆され、通訳頻度の管理が重要であると考えられた。また、通訳方法別の対策を検討する必要があると思われた。
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