2012 Fiscal Year Research-status Report
ホームレス・生活困窮者の包括的支援に向けた政策枠組みの検討および理論的分析の展開
Project/Area Number |
23730522
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
垣田 裕介 大分大学, 福祉社会科学研究科, 准教授 (20381030)
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Keywords | 貧困 / ホームレス / 生活困窮者 / パーソナル・サポート・サービス |
Research Abstract |
平成24年度は、ホームレス自立支援法の延長、新しい生活困窮者対策の提唱、パーソナル・サポート・サービスモデル事業の終結などが政策的論点となり、そのなかにおいて、研究会やシンポジウム等を通じて、本研究で得られた成果の発信に努めた。そのために支援現場の実態や政策動向を把握する目的で、各地でヒアリング等を積極的に行った。 第1に、野宿生活者に留まらない多様なホームレス状態にある者の実態と、その支援策のありようを対象とした全国調査の分析・検討を行った。それに関連して、厚生労働省が当該年度に公表したホームレス生活実態調査の結果も交えて論議を行った。 第2に、新しい生活困窮者対策(当初は「生活支援戦略」と呼ばれていた)に関しては、政策論議の動向の把握に努め、国・自治体や支援団体等の関係者との意見交換も積極的に行った。 第3に、パーソナル・サポート・サービスモデル事業に関しては、福岡市で実施されているモデル事業について評価検証を継続し、その分析結果の取りまとめを行った。福岡市でのモデル事業の枠組みは、上記第2の新しい生活困窮者対策にも取り入れられており、この評価検証の分析結果について、今後の政策動向や実践的課題に関連させて活用していきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記の「研究実績の概要」に記したとおり、当該年度における主な政策的・実践的論点に関する実態や政策動向の把握を行うために各地でヒアリング等を積極的に行い、本研究を推進するうえでの知見や資料を多く得ることができた。 他方で、そうして得られた知見や資料について、当初の研究実施計画で掲げたような国内外の理論的分析を交えた検討を十分に行うことができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究実施計画に記したとおり、最終年度にあたる平成25年度は、1年目と2年目に行った調査研究を総合的にまとめ、研究成果の発信に努める。その際に重視したい視点として、国内外の社会福祉や社会政策における日本のホームレス・生活困窮者支援の位置づけや、理論的分析の展開の可能性についても探りたい。 さらに、平成25年度は、新しい生活困窮者対策のモデル事業が実施される予定となっているため、必要に応じて現地や関係者等を対象としたヒアリング等の調査を行い、政策や支援現場の最新動向の把握にも引き続き努めたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究用の関連図書等の物品や、ヒアリング調査や学会参加に係る旅費などについて計上した。
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Research Products
(7 results)