2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23730527
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Research Institution | Yamanashi Prefectural University |
Principal Investigator |
伊藤 健次 山梨県立大学, 人間福祉学部, 講師 (70405116)
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Keywords | 動作解析 / 介助動作の標準化 / コツの視覚化 / 介助動作教育 / 介護実務者教育 |
Research Abstract |
本研究の目的は、自立支援型の移乗介助技術を学習者自らの気づきを元に理解し習得する教育手法を開発することである。本研究の背景には多様な介護ニーズを持つ要介助者が増え、動作介助を通じて自立支援ができる人材が大量に必要とされているにもかかわらず、その習得のための教育手法が確立していない事が存在している。 H25年度は、前年度までの移乗介助技術の教育方法の分類整理と様々な移乗介助の解析結果を基に、動作介助時のコツを盛り込み、(1)動作の基本となる立ち上がり、寝返り、起き上がりの3つの動作の理解、(2)移動に伴う重心移動の理解、(3)移乗介助の基本技法、(4)スライディングボードを用いた移乗、の4点を盛り込んだモデル研修プログラムを作成した。プログラム内容は、介護現場で研修等を担う実務者に提示し、修正を加えた。動作解析結果を活用してより実践的な研修内容を盛り込む成果があったと考えられる。 さらに、11月に現場の介護従事者20名を対象とした6時間の研修として作成したモデル研修プログラムを実施し、参加者の反応・感想を研修終了後アンケートで収集した。実務経験のある研修参加者からの意見を、さらなるプログラム改定に取り込むことができた。また、プログラムの修正にも意見を受けた介護現場の熟練者2名も研修補助者として参加し、研修を実施した上での意見を収集し、こちらについてもプログラム改定に取り込むことができた。 また、これまでの研修成果の一部を第20回日本介護福祉教育学会において発表をおこない、学会参加者のフィードバックをうけた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
H25年度の実施内容の多くは現場実務者と連携したものであるが、研究者が研究活動に従事できる春期休業期間中の2月に、筆者の居住県において観測史上最大の豪雪があり、連携予定の現場実務者が豪雪対応に追われ、連携時間の確保が困難となった。 そのため、実務者の協力が不可欠で、長時間の撮影時間の確保が必要な教育用映像の作成が滞り、予定通りの進行とならなかったが、映像以外の部分については定期的な勉強会の際に現場実務者の意見をとりこみ、プログラムの適正化を図った。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度はこれまでの成果を盛り込んだモデル研修プログラムの内容を元に、ある程度の基礎を自学自習できる事を目的とした教育用映像の作成、プログラムの試行と効果の検証を行っていく予定である。現在、現場の教育指導に当たっているベテランと、教育指導を受ける立場の職員の協力を得て、教育用映像の試作を行っている段階である。試作を元に映像を整理し、教育用DVDの作成を行っていく。 今年度内に5回の研修実施が予定されており、研修参加者からのフィードバックを受けて研修プログラム及び教育用映像の改定と、研修効果の検討を行っていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究は現場の介護従事者と密接に連携しておこなうものであるが、現場従事者は不規則勤務であり、夜間・土日休日も業務に従事している。このため、研究代表者の担当授業が実施されず現場従事者の都合に合わせやすい春期休業期間(2・3月)に多くの協同作業を予定していた。しかし2月に筆者の居住県において観測史上最大の豪雪があり、連携予定の現場従事者が職場での豪雪対応に追われ、連携時間の確保が困難となり、計画の大幅修正が必要となったため。 次年度は、前年度実施できなかった現場従事者と連携した作業を中心に実施していく予定である。必要物品については前年度までにほぼ購入済であるため、本年度については現場従事者との作業に伴う人件費と旅費を中心とした研究費執行を行う。
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Research Products
(1 results)