2011 Fiscal Year Research-status Report
福祉アクセシビリティを鍵概念としたソーシャルワーク実践方法と体制整備に関する研究
Project/Area Number |
23730530
|
Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
越智 あゆみ 県立広島大学, 保健福祉学部, 助教 (60445096)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
Keywords | 福祉アクセシビリティ / ソーシャルワーク / 地域生活支援 |
Research Abstract |
支援を必要としながら相談窓口に到達できていない「福祉サービスを必要とする人」に対応するため、問題の発見・把握を重視した相談支援体制を構築することが社会的に求められている。「待ちの姿勢」や「窓口のたらいまわし」といった従来から指摘されてきた課題を克服し、問題の発見・把握を重視した相談支援体制を構築するためには、なぜ「福祉サービスを必要とする人」が数多く存在するのか、それらの人々が相談窓口に到達する上で何が障害になるのかを明らかにしていくことが、ソーシャルワーク研究の喫緊の課題となる。 そこで本研究では、「福祉サービスを必要とする人」に焦点をあてて、専門職がソーシャルワーク機能を発揮してアプローチする際に求められる視点および枠組みと、そのアプローチを実現できるシステムを明らかにすることを目的に実施した。具体的には、当事者主体というソーシャルワークが尊重すべき価値にもとづき、「福祉サービスを必要とする人」が相談窓口に到達する上で何が障害になるのか、実際に福祉サービスを必要とする状況にあった人の経験から明らかにした。研究方法は、調査対象者が語る「ありのままの言葉」を分類・整理した上で再統合し、「濃い記述」として表出する「質的記述的研究」とした。福祉アクセシビリティ状況の分析枠組みには宮岡の「福祉アクセシビリティの構成要素」を、支援機能の分析枠組みにはNASWの「ソーシャルワークの機能分類」を設定した。分析結果については、(1)ソーシャルワーク機能を発揮できる専門職の専門性と、(2)その機能を発揮できるシステムという2つの観点から考察した。 さらに、この研究で得られた知見を踏まえ、地域における自殺対策のあり方を人材育成と仕組みづくりという2つの観点から検討した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究成果を出版し、公表することができた。また、計画では次年度に研究対象を広げていく予定だったが、今年度にも取り組むことができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度、福祉アクセシビリティの確保が特に重要な課題となる、自殺対策についての研究に取り組むことができた。今年度の成果を、次年度以降、さらに発展させていきたい。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は、今年度の研究成果を実際に活用してさらに研究を深めていく予定なので、その際に活用したい。また、次年度、本研究で重要な位置を占めるソーシャルワークの国際定義の見直しが議論されることになっているので、その情報収集などにも活用したい。
|
Research Products
(5 results)