2013 Fiscal Year Annual Research Report
福祉アクセシビリティを鍵概念としたソーシャルワーク実践方法と体制整備に関する研究
Project/Area Number |
23730530
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
越智 あゆみ 県立広島大学, 保健福祉学部, 助教 (60445096)
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Keywords | 福祉アクセシビリティ / ソーシャルワーク / 相談支援システム / 地域生活支援 / 自殺対策 / 研修プログラム |
Research Abstract |
様々な困難に直面し、支援を必要とする状況になった時に、相談しやすい、利用しやすい相談支援システムを地域の中に構築すること、そのために必要となる知識や技術を発展させ、普及させていくことは、ソーシャルワーク研究の重要な課題である。これまで取り組んできた研究から、直面している状況への戸惑いや葛藤、対処方法に関する情報不足、他の人に話すことへの抵抗感のほか、困っている状況が見えにくい場合には本人も周囲の人々も支援の必要性を認識できず、必要なサービスに結びつかないことがあることが明らかになってきた。これらの課題に対して、個別支援とともに地域の中での連携・協働の仕組みづくりに取り組むソーシャルワーク実践をどのように展開していくか、その具体的方法と体制整備について研究を深めていく必要がある。 わが国の重要かつ喫緊の課題の一つに、生きづらさ、生活のしづらさに直面し、生きる希望や意欲を失いかけている「自殺に傾いた人」を発見して支援に取り組むこと、それが可能となる福祉アクセシビリティが確保された相談支援システムを構築することがあげられる。この課題に対応していくため、本研究では、相談支援従事者のスキルアップを図る研修プログラムの体系化と、相談をつなぐ仕組みづくりに取り組んだ。研修プログラムについては、市町村保健福祉担当課や精神保健福祉センターなどと連携して企画・実施し、地域の人材育成および連携・協働の仕組みづくりに役立てた。開発した研修プログラムは、各地域で実際に開催しながら、順次改善を図った。また、相談をつなぐ仕組みづくりに関しては、広島県三原市内の関係者と継続的に協議を行って、市内の精神保健福祉に関する相談窓口利用経験者と、当該利用経験者への支援をしている相談支援専門職を対象とした調査を企画・実施して地域の課題を明らかにし、その課題解決に取り組む方策を検討した。
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