2011 Fiscal Year Research-status Report
犯罪加害者家族に関する総合的研究:心理・社会的支援の必要性と可能性
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23730532
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
深谷 裕 北九州市立大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (60435732)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 国際研究者交流 / ヨーロッパ / 犯罪 |
Research Abstract |
本研究の目的は、犯罪加害者の家族が置かれている心理的・社会的状況を理解し、彼らに対する支援の必要性と可能性を検討するものである。具体的には、事件により、加害者家族の生活がどのように変化し、それをどのように受け止めているかについて、ライフストーリー・インタビューにより明らかにすることである。 平成23年度は初年度ということもあり、調査者が場に馴染むことと、インタビュー対象者たちとの良好な関係性を築くことに重点を置くことが必要であった。そのため、予定よりもインタビューの開始時期を先送りすることとした。当該年度に実施することができたインタビューは2件であり、予定件数よりも少ないが、これらの調査からは、加害者家族の心理的・社会的状況が少しずつ浮き彫りになった。その一方で、「犯罪加害者家族」といってもさまざまであり、さらにインタビューを重ねていくことの重要性が確認された。 また、本研究では、犯罪加害者家族に対する支援の仕組み作りに向けて、諸外国で犯罪加害者家族支援を行っている民間団体への聞き取り調査を行うことがもう一つの目的としてある。この点については、平成23年度は対象団体を絞り込む作業を行い、連絡調整を行うとともに、対象団体についての予備知識の獲得に努めた。 本研究の特徴は、犯罪加害者家族を支援の対象としてとらえるものであるが、このような視点は、専ら「原因」や「犯罪抑止要因」として加害者家族をとらえてきた犯罪加害者家族研究においては、新しい視点である。本研究により、加害者家族のニーズや課題が浮き彫りにされ、支援システム確立のための具体的方策が提案されれば、加害者家族自身の回復への寄与はもちろんのこと、家族関係の調整がより円滑に行われるようになり、結果的に犯罪者の社会復帰の促進にも寄与すると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ライフストーリーインタビューのようなインタビュー調査においては、調査実施に先立ち、対象者が時間を過ごすことの多い場(たとえば自宅やグループ活動の場など)に調査者がなじみ、調査者と対象者との良好な関係性を築くことが求められる。そのための期間はある程度想定していたものの、3月11日に発生した東日本大震災の影響により、家族が集まる機会が少なく、平成23年度はこの作業に予定以上に時間がかかったため、進捗がやや遅れた状況となった。
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Strategy for Future Research Activity |
インタビュー対象者との関係性をある程度構築することができたので、今後は先送りしたインタビュー調査を精力的に実施する予定である。また、諸外国の調査については、平成24年度は英国の団体を訪問調査する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度は、年間を通して複数回のインタビュー調査のために交通費および謝金が必要となる。また、年度半ばにイギリス調査(研究代表者および協力研究者の2名)に使用する予定である。
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