2011 Fiscal Year Research-status Report
スクール(学校)ソーシャルワーク現場実習プログラムの構築に向けた基礎研究
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23730533
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Research Institution | Fukuoka Prefectural University |
Principal Investigator |
奥村 賢一 福岡県立大学, 人間社会学部, 講師 (90584699)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | スクール(学校)ソーシャルワーク |
Research Abstract |
1.具体的内容1)文献研究(2011年4月~2012年3月)2011年度は国内におけるスクール(学校)ソーシャルワーク実習の実態を把握することを文献研究の中心的目的に設定し、文献(書籍、論文、報告書等)の収集及び分析に取り組んだ。併せて、社会福祉士及び精神保健福祉士の各実習に関する文献についても収集を行い、社会福祉学を共通基盤とする両専門分野との共通性とスクール(学校)ソーシャルワークの固有性について研究を行った。2)アンケート調査(2011年10月~2012年3月)2011年10月よりアンケート調査票(以下、調査票)の作成に着手。翌年2月に調査票を発送した。発送先は、当該年度までに社団法人日本社会福祉士養成校協会(以下、協会)より事業認可を受けた全国30養成校の担当者である。同年3月を回収期限とし、17校(回収率56.7%)より回答を得た。2.意義 これまでに実施した研究及び調査により、わが国におけるスクール(学校)ソーシャルワーク実習に関連した先行研究が極めて限定的であることが確認された。実習の実施状況については、協会も事業認定後の実態を十分に把握することができておらず、実習先の確保や実習プログラムの未整備などの問題から、実習を未だ実施することができていない養成校が多く存在していることが本調査結果より明らかとなったことからも、本研究の意義を認めることができる。3.重要性 わが国におけるスクール(学校)ソーシャルワーク実習プログラムは、(1)事前指導・配属実習・事後指導の一連の実習プログラムの在り方が未整備。(2)実習先(主として教育委員会)の開拓及びそれらと共同した実習プログラムの検討が困難。(3)養成校間での情報共有が行われていない。以上のような課題があり、これらの解決及び改善は、スクール(学校)ソーシャルワーク実習の安定的な実施に向けて極めて重要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2011年度(一年目)に行った研究のうち、文献研究及びアンケート調査の実施については、概ね事前の計画通りに達成することができた。 特に、アンケート調査票(以下、調査票)の回収率は、予めの想定を上回る結果となり、次年度に行うこれら調査票の分析等から、わが国におけるスクール(学校)ソーシャルワーカー養成に向けたスクール(学校)ソーシャルワーク実習プログラムの現状と課題について明らかにすることができると考える。また、これらの情報については、次年度に計画する調査票作成にも大いに参考になるものとなる。 なお、文献研究については、今年度は意図して国内のものを中心に行ったため、次年度は海外におけるスクール(学校)ソーシャルワーク実習プログラムの実態把握を目的に必要な研究資料等の収集及び分析を進めたいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究については、以下3点を中心に研究を具体的に推進していく。1.「スクール(学校)ソーシャルワーク実習の受け入れ機関(教育委員会、学校、実習指導者)を対象としたアンケート調査の実施」本学が2010年度より実習の受け入れについて全面的な協力を得ている福岡市教育委員会、スクールソーシャルワーカーの配置校(小中学校)、実習指導者を務めるスクールソーシャルワーカーを対象としたアンケート調査を行い、養成校に対する意見、要望及び改善点等の抽出を行う。予定では、2012年度に本学が実施するスクール(学校)ソーシャルワーク実習終了後(2012年12月)より実施予定。2.「本学が実施したスクール(学校)ソーシャルワーク実習に関する実習生アンケート調査の実施」2009年度より実施をしている本学のスクール(学校)ソーシャルワーク実習について、卒業生も含めたアンケート調査を実施予定。3.「文献研究」2011年度に引き続き論文、専門書籍、報告書等等を中心とした文献研究を行う。特に、2012年度は海外におけるスクール(学校)ソーシャルワーク実習プログラムについて情報収集を行いたいと考えており、これらの研究結果を当該年度に実施する二つのアンケート調査に反映させたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
1.設備備品費(300千円)(1)ソーシャルワーク関連図書(100千円)、(2)スクール(学校)ソーシャルワーク関連図書(100千円)、(3)ソーシャルワーク現場実習関係図書(100千円)2.消耗品費(100千円)(1)コピー用紙代(10千円)、(2)文房具代(80千円)、(3)封筒代(10千円)3.国内旅費(407千円)(1)ヒアリング調査(7千円)、(2)学会報告(400千円)4.謝金等(360千円)(1)調査協力者謝金(240千円)、(2)アルバイト人件費(120千円)5.その他(249千円)(1)調査票集計委託費(150千円)、(2)報告書印刷費(72千円)、(3)報告書郵送費(27千円)
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