2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23730535
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Research Institution | Hachinohe Institute of Technology |
Principal Investigator |
安部 信行 八戸工業大学, 感性デザイン学部, 講師 (30433478)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 視覚障害者 / 聴覚 / 錯誤 / 音響 / 歩行 / 環境 |
Research Abstract |
本研究は、視覚障害者が歩行中に突発的な騒音等が発生した場合に聴覚錯誤が起きることが以前の筆者の研究で明らかとなっており、様々な音環境の変化によってどのような条件で錯誤が起きるのかを明らかにすること、また、音以外の原因に関しても、どのような条件で方向の錯誤が発生しているかについて、聴覚錯誤のメカニズムを明確にすることを目的として研究を進めている。 本年度は、聴覚錯誤の実態について確認するために、視覚障害者から聴覚錯誤や、それらに関して、これまでに発生した歩行中の事故などに関するヒアリング調査、固定音源による聴感実験(予備実験)を進めてきた。ヒアリング調査の結果、視覚障害者からは聴覚錯誤とは断定できないまでも、駅のホームで方向を見失ってしまったことや、風雨などの影響により方向が分からなくなったことなど、聴覚錯誤に繋がるような事象の経験が少なくともあることが確認できた。歩行中に様々なものに衝突するなどの歩行事故については、筆者が以前に行った調査でも明らかとなっているが、電柱や標識に衝突した経験や駅のホームからの転落事故など、今回の調査でも同じようなケースが確認できた。固定音源による聴感実験については、整備できつつあるデジタルミキサー等を組み合わせて、8chのスピーカーから音がランダムに発生する音響システムを構築し、晴眼者の被験者に対して、被験者の周りを円状に8個のスピーカーで囲み、スピーカーからランダムに音を発生させてどの位置から音が発生したかを示してもらったところ、実際には音が発生している場所とは全く逆の方向を示した被験者が数件確認できた。今回は予備的な実験だったため、来年度は改めて実験場等の再考も含めて再度実験を実施していくこととする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は、様々な音環境の変化によってどのような条件で錯誤が起きるのかを明らかにすること等、聴覚錯誤のメカニズムを明確にすることであるが、固定音源を使用した聴感実験に関しては、ホワイトノイズの音源を使用して実験を実施したところ、比較的残響時間の長い空間において聴覚錯誤が発生することを確認できた。ここまでは、研究実施計画通りの内容となっているが、残響時間の短い空間においても同様の聴感実験を進める必要があったため、それを確認してから実施計画にある通り、次年度の実験を実施する予定である。また、視覚障害者からのヒアリング調査については、実施できたものの、人数的には実施計画の20名には至らなかったため(実際には5名程度)、次年度は再調査を実施する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度、視覚障害者の被験者については周囲の視覚障害者に協力を要請して調査を実施した。しかし、より多くの視覚障害者に協力していただくためには、日本盲人会連合等の視覚障害者団体にお願いする必要があり、今後はそのような団体に調査の要請をしていく予定である。 また、聴感歩行実験等においては、視覚障害者の被験者に協力してもらうには、人数的な限度があるため、晴眼者の被験者にアイマスクを着用して実験に協力してもらうなどの工夫が必要となる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
聴感実験に使用するデジタルミキサーを利用した音響システムについては整備できつつあるが、デジタルミキサー等の音響システムを円滑に操作するために音響制御用のソフトウェアを購入する計画である。また、そのソフトウェアを使用するためのワークシステム(MacPC)も必要となるために計画を進めている。更に、代表者がこれまでに実験結果の計算や実験結果を纏めるために使用してきたWindows仕様のPCが老朽化により、故障などが発生して不調になってきていることから、更新が必要となりつつある。
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