2012 Fiscal Year Annual Research Report
独立型社会福祉士におけるビジネスモデルに関する実証的研究
Project/Area Number |
23730536
|
Research Institution | Hirosaki Gakuin University |
Principal Investigator |
小川 幸裕 弘前学院大学, 社会福祉学部, 准教授 (90341685)
|
Keywords | 独立型社会福祉士 / ビジネスモデル / 非倫理的実践の予防 / 環境整備 |
Research Abstract |
平成24年度は、前年度の調査結果からビジネスモデルに分類された独立型社会福祉士15名を対象に、①ビジネスモデルを選択する要因とそのリスクを明らかにする、②非倫理的実践を予防するシステムを備えたビジネスモデルの構築を行う、を目的にインタビュー調査を行った。 インタビューは半構造化面接を用い、①独立過程におけるジレンマ経験、②現在の実践内容と課題、③実践する上で意識していること、④今後の展望などを中心に聞き取りを行った。インタビューは、1回1時間半から2時間実施し、2012年3月から2013年3月の期間に実施した。すべてのインタビュー・データはICレコーダーで録音した。録音したデータはすべて逐語録に起こし、それを基に時系列に沿って活動および課題を整理した。また、作業効率を高めるために質的データ分析ソフトMaxqda2010を使用し、分析は1行ずつ読みまとまりごとにコード化を行い、概念の生成および定義づけを行った。そして、分析ワークシートに概念名、定義、コードとデータの一部、解釈を記載し、概念のまとまりをカテゴリーおよびサブカテゴリーとして形成し、概念やカテゴリーの関連性を全体関連図に書きだした。 調査の結果、ビジネスモデルを選択する要因として、①収益確保の見通し、②仕事のイメージ、③仲間の獲得、④モデルの発見、がみられた。またビジネスモデルのリスクとして、①営利重視による利用者不在、②リスクマネジメントの未整備、③孤立化、がみられた。以上から、ビジネスモデルにおけるリスクへの対応として、非倫理的実践の予防に向けたシステム構築の必要性が示唆された。非倫理的実践を予防するシステムの構築に向けて、①ライフステージによる事業の住み分けとサポート体制の整備、②事業継続性の担保に向けた事業の多角化とハイブリッド化、が今後の検討課題として抽出された。
|
Research Products
(7 results)