2011 Fiscal Year Research-status Report
「限界コミュニティ」における小地域福祉活動実践に関する実証的研究
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23730539
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Research Institution | Higashi Nippon International University |
Principal Investigator |
菅野 道生 東日本国際大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (00582008)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 社会的孤立 / 局地的高齢化 / 公営住宅 / 地域福祉 |
Research Abstract |
本研究では都市部において極端な高齢化が進展する地域、すなわち「限界コミュニティ」における住民福祉活動に着目する。平成23年度は都市部における公営集合住宅における入居世帯の実態把握に取り組んだ。現在、入居から長期間が経過した公営集合住宅の多くが、住民の高齢化とそれに伴う多様な生活問題の集中、および自治会活動や共助活動の衰退などの課題に直面しつつある。しかしながら、現状では個別の公営集合住宅の入居者の生活実態についてのデータは十分に得られているとは言い難い。個別住宅の入居者調査で得られたデータの分析を通じて、都市の公営集合住宅における高齢化の状況、およびその世帯構成の特徴について明らかにすることには大きな意義があると言える。具体的には、東京都江東区を対象地域として(1)一定地域における個別の公営集合住宅入居者のうち、ひとり暮らし高齢者世帯および高齢者を含む2人暮らし世帯がどの程度を占めているか、(2)単一の公営集合住宅において、入居者全体の年齢構成および世帯構成の特徴がどのようなものかという2点について検討した。調査結果からは、ひとり暮らし高齢者、高齢者のみの2人暮らし、およびどちらかが高齢者の2人世帯といった孤立や介護等の生活上のリスクを抱えやすい世帯が特に都営住宅では入居者の半数以上を占めている状況が明らかとなった。また、都営住宅の入居者データからは高齢化率50%を超え、住民の4割が70歳以上という超高齢コミュニティとしての公営集合住宅の実像が浮かび上がった。性別と年齢構成のデータからは、高齢化の進展とともに高齢女性が集中的に居住しているという特徴が明らかとなった。さらに都営住宅における世帯人員数の状況では入居世帯のうちひとり暮らし世帯がおよそ半分を占めていた。ひとり暮らしと二人暮らしで全体の9割近くとなっており世帯規模の小ささ、特にひとり暮らし世帯がきわめて多い状況が確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成23年3月11日に発生した東日本大震災によって、福島県いわき市に立地する所属機関は大きな被害を受けた。原発事故の影響もあり、通常の研究活動を遂行することはきわめて困難な状況であった。こうしたことから、当初の研究計画の進捗状況としては大幅な遅れが生じている。特に各地への訪問ヒアリング調査が行えなかった点は大きなマイナスである。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は所属機関が変わり、新たな環境で研究活動に取り組むこととなった。研究計画の遅れを取り戻せるよう、全力を尽くしたい。23年度の研究活動を通じて、各地域との協力体制も充実しつつあり、こうした関係性を梃子にして特に訪問ヒアリング調査を着実に実施していくことにしたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
23年度は上記の理由により、十分な研究活動が行えず、特にフィールドワークに取り組むことができなかったことにより、多額の研究費が未執行となった。24年度は各地への訪問ヒアリング調査を着実に実施することにより、旅費、調査協力謝金、スクリプトの作成謝金等の支出が見込まれる。また、各種の文献資料の収集、および成果発表のための費用としても研究費を使用することを予定している。
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Research Products
(3 results)