2014 Fiscal Year Annual Research Report
障害者自立支援制度下における知的障害者のひきこもり状態の実態と支援モデルの構築
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23730540
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Research Institution | Seitoku University |
Principal Investigator |
高野 聡子 聖徳大学, 児童学部, 講師 (00455015)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 社会福祉 / 知的障害 / 特別支援 / ひきこもり / 障害者福祉 |
Outline of Annual Research Achievements |
日中の通所サービスを提供している事業所を対象にして「知的障害者のひきこもり状態に関するアンケート調査」を実施した。アンケート調査は質問紙調査で実施し、1564箇所の事業所に質問紙を郵送(配布)した。質問紙は①フェイスシート、②現在の利用者の状況、③過去の利用者の状況から構成し、ひきこもり状態の利用者の事例を経験した事業所職員から作成した質問紙の内容について意見を聴取し、聖徳大学の倫理委員会の承認を得た。質問紙の②現在の利用者の状況と③過去の利用者の状況では、回答者の事業所におけるひきこもり状態の利用者の有無・性別・最終学歴・利用サービス、ひきこもり状態の期間・きっかけ、ひきこもり状態への対応・困り感、自由記述の項目を設けた。 質問紙の回収率は15.3%と、回収率が低かったが、事業所が様々な障害種を対象にしているにもかかわらず、本調査では対象を知的障害に絞ったため解答しにくかったことが考えられる。分析の結果、ひきこもり状態にある利用者の有無は、有りが現在12.9%、過去16.7%であった。ひきこもり状態にある利用者の割合は低いが、ひきこもり状態の利用者が少なからず存在していることが明らかになった。また、事業所が行っているひきこもり状態の利用者への対応は、現在は電話対応96.8%が最も多く、何もしていないは35.5%で、過去の利用者への対応となると、最も多いのは電話対応55.0%であったが、何もしていないが42.5%となっており、何もしないが過去の利用者になると上昇することがわかった。 また、学校卒業後から社会への接続がひきこもり状態において重要な時期であることが前年度までの研究から明らかになっていたが、本年度は前年度までと同様に他国の障害児教育の現状と課題について検討するため、ドイツバイエルン州の障害児学校の現状について視察し、教師からの聞き取り調査を行った。
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