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2011 Fiscal Year Research-status Report

地域住民による父親を対象とした子育て支援活動の効果と課題に関する研究

Research Project

Project/Area Number 23730556
Research InstitutionNagoya University of Arts and Sciences

Principal Investigator

松本 しのぶ  名古屋学芸大学, ヒューマンケア学部, 講師 (90390210)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2013-03-31
Keywords地域福祉活動 / 子育て支援 / 父親
Research Abstract

本研究は、地域住民による父親の子育て支援活動に参加した父親を対象とした調査を行い、その活動によってもたらされた父親の変化の有無から、その効果と課題について検討することを目的としている。その目的を達成するため、平成23年度は、まず、関連する文献・資料収集およびその精査や関連研究分野の研究者などの助言を参考にして、質問紙の調査項目を作成した。質問項目においては、とりわけ「活動参加前後の考え方と行動の変容」および「地域とのつながり」に着目した。 次に、郵送法による質問紙調査を平成23年11月~12月に実施した。調査対象は、奈良県内の地域住民が結成した団体「パパちから応援隊」が各市町村で実施している乳児のいる父親を対象とした「パパセミナー」に平成19年度~平成23年度6月までに参加した父親173名とし、そのうち84名から回答を得た。 主な結果としては、活動内容については、おおむね9割が満足していると答えるとともに、より多くの子育てに関する情報提供や父親同士の交流の時間をもつことを望んでいることが明らかになった。また、活動の参加前後を比較すると、7割以上が「子どもともっとかかわりたい」という気持ちに変化しており、さらに、8割近くが「実際に子どもとうまくかかわれるようになった」と答えている。なお、地域とのつながりの点では、約半数が活動直後に「父親同士の交流がしたくなった」と気持ちが肯定的に変化する割合が高くなっているが、実際には、活動の参加者と活動後に連絡をとる関係が継続していないことも明らかになった。 本調査によって、活動が父親の子育てによい影響を与えることが明らかになった。ただし、活動のターゲットとなる父親のニーズをさらに把握し、よりニーズに即した活動内容にすること、また、活動参加後も父親同士の交流が継続する仕組みを支援のなかで展開する必要性が示されたことが本研究の意義である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究においては、地域住民による父親の子育て支援活動に着目し、その効果と課題について検討することを目的としている。 とりわけ、平成23年度は、第一に、地域住民による父親の子育て支援活動に参加した父親を対象とした調査を実施し、その活動によってもたらされた父親の変化の有無から、活動そのものの効果について明らかにすること、第二に、活動がもたらす効果のなかでも、特に地域住民による父親の子育て支援を通じて形成される地域ネットワークの有無やその状況について考察することの2点を目標とした。 具体的には、質問紙による調査を実施し、地域住民による父親の子育て支援活動の効果と課題を量的に明らかにすることを目的としていた。予定としては、(1)調査票作成、(2)調査実施、(3)調査結果の整理と分析の3つの内容を行うことであった。 現在までに上記の(1)、(2)は終了し、(3)についてもデータ整理は終了し、分析を進めて平成24年度に予定しているヒアリング調査の調査項目について検討している状況である。 したがって、おおむね順調に進展しているといえる。

Strategy for Future Research Activity

平成24年度においては、地域住民による父親の子育て支援活動の効果に関するヒアリング調査を行う。具体的には、以下の4つの内容を行う。 第一に、平成23年度に実施した質問紙による郵送調査の結果をふまえ、ヒアリング調査の枠組みを作成し、質問項目の検討を行う。第二に、平成23年度に実施した調査の回答者に調査協力を依頼し、ヒアリング調査を実施する。第三に、ヒアリング調査の結果について整理・分析を行う。特に、地域住民による父親の子育て支援を通じて地域ネットワークを形成するための方法について着目し、今後の地域住民による父親の子育て支援のあり方について検討する。第四に、今回の調査研究の成果を各領域での活用に供するために報告書としてまとめ、調査に協力していただいた対象者や関係各機関に送付することで研究成果のフィードバックを行う。 なお、随時、関係学会参加等を含めた研究に必要な専門的資料の収集を行うとともに、関係分野の研究者および調査協力団体であるパパちから応援隊のメンバーから継続的に助言を受けながら研究を進めていく。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

平成24年度は、地域住民による子育て支援活動に参加した父親へのヒアリング調査および報告書作成を計画している。したがって、以下3点がおもな研究費の使用計画となる。 第一に、ヒアリング調査に関する費用である。具体的には、ヒアリング調査協力者への謝金、調査に係る旅費交通費、ヒアリングを実施する会場費、調査依頼送付等に必要な消耗品等の購入、ヒアリング調査のテープ起こし等の研究補助者への報酬等である。また、ヒアリング調査実施の際に使用するボイスレコーダーおよびカメラ、ノートパソコン等の機材も購入する予定である。 第二に、資料収集および専門的知識の提供等に関する費用である。研究に必要な専門的資料がまだ十分ではないため、参考図書購入費や資料複写費など文献収集のための費用および資料を収集するための調査研究旅費(関連学会の参加費および旅費を含む)が経費としてかかる予定である。また、関連領域の研究者およびパパちから応援隊からの専門的知識の提供への謝金、そのための旅費、会議費等が必要である。特に昨年度は、予定していた学会への参加や専門的知識への謝金提供が計画的にできなかったため、この点に留意して使用していく。 第三に、成果発表のための報告書を作成するため、データ整理を行う研究補助者への報酬および報告書作成に必要な消耗品等の購入、印刷費、封入作業費、郵送費等も必要である。

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Published: 2013-07-10  

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