• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2011 Fiscal Year Research-status Report

緩和ケアに携わる援助職者のグリーフとそのケアに関する研究

Research Project

Project/Area Number 23730558
Research InstitutionKansai University

Principal Investigator

金子 絵里乃  関西大学, 人間健康学部, 助教 (40409339)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
Keywords緩和ケア / グリーフ / グリーフケア / ソーシャルワーカー / ソーシャルワーク / 医師 / 看護師 / チャプレン
Research Abstract

本研究の目的は、(1)緩和ケアに携わる援助職者が、どのようなグリーフを抱え、グリーフにどのように対応しているかを明らかにすること、(2)緩和ケアに携わる援助職者に必要な資質や職場環境のあり方を検討すること、(3)援助職者に必要なグリーフケアを検討することである。この目的を達成するため、今年度は下記の3つを中心に研究を行った。 1つは、援助職者のグリーフに関する先行研究の収集・レビューである。これまでに蓄積されてきた先行研究の文献を収集し、援助職者特有のグリーフとはどのようなものかを調べた。 2つめは、インタビュー調査の準備(説明書や質問項目の作成、調査の依頼など)である。先行研究をもとに、質問項目を作成し、インタビュー協力者への説明書や同意書等を作成した。インタビュー協力者については、強化的サンプリング方法を用いて自分の意志でインタビューに参加したいと思う人を選定し、医師・看護師・ソーシャルワーカー・チャプレンからインタビュー協力の承諾を頂いた。 3つめは、インタビュー調査の実施である。関西・関東圏を中心に、緩和ケアに携わっている援助職者(医師・看護師・ソーシャルワーカー・チャプレン)9人を対象に約60~90分のインタビュー調査を実施した。インタビューでは、看取りケアやグリーフケアの実践、これまでにつらかった患者との喪失体験、グリーフへのコーピング(対応方法)、職場環境・職場内の援助者へのグリーフケア、緩和ケアの場で仕事をする難しさ・やりがい、臨床をささえるもの・援助者としてたいせつにしていること、必要と感じる援助者へのグリーフケアについて話を聴いた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

今年度は、(1)援助職者のグリーフに関する先行研究の収集とレビュー、(2)インタビュー調査の準備(説明書や質問項目の作成、調査の依頼など)、(3)インタビュー調査の実施を中心に計画を立てた。 (1)については、看護学、医学、ソーシャルワークの領域を中心に大量の文献を収集することができた。援助職者のグリーフに関する研究は、主にアメリカの看護学を中心に展開され蓄積されていた。先行研究では、医師や看護師が患者の死に立ち会ったり、悲しみに暮れている家族とのかかわりのなかでグリーフを抱えて悩み、苦しんでいることが報告されていた。今年度は先行研究を全て読みきることができず、レビューを十分に行うことができなかったため、来年度引き続き先行研究の収集とレビューを行う予定である。 (2)と(3)については、当初の計画では、緩和ケアに携わっている医師、看護師、ソーシャルワーカー、チャプレン5人にインタビューを実施する予定であったが、インタビューにご協力して下さった援助職者の紹介で、協力して下さる方が増え、9人にインタビューを実施することができた。

Strategy for Future Research Activity

今後は、緩和ケアに携わっている医師・看護師・ソーシャルワーカー・チャプレンにインタビューの依頼をし、11人を対象に60~90分のインタビューを実施する予定である。その後、業者にテープ起こしを依頼し、録音した語りをデータとして用いてデータ分析を行う。 データ分析は、その信ぴょう性および内的妥当性を確保するため、専門的な知識を有する研究者にチェックをして頂いたり、ピア報告会を実施する。ピア報告会の実施は25年度を予定している。参加者は、インタビュー協力者や緩和ケアに携わっている援助職者や研究者であり、データの分析と解釈をまとめた資料を配布し、申請者がデータをどのように分析して解釈したかを説明し、内容が正しいかどうかを自由に話し合ってもらいメンバーチェッキングを行う。 報告会で収集した意見をもとに再度データを分析し、コードやカテゴリーを精緻化し、データ分析の質を高め、24~25年度にかけて日本社会福祉学会や日本臨床死生学会などで本研究の成果を発表し、集大成として研究報告書を作成する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

次年度は、引き続き関東・関西圏を中心にインタビュー調査を実施する予定であり、大阪―東京間の移動のための国内旅費およびインタビュー協力者11人への謝金を中心に執行する予定である。インタビューにご協力して下さった方の紹介でその後の協力者を募っているため、場合によっては関東・関西圏以外にインタビューに行く可能性が考えられる。その場合は、当初予定していた額よりも国内旅費が上回る可能性があるが、消耗品費(書籍の購入など)を控えるなどして対応したいと思う。 今年度は、インタビューで収集したデータを業者に依頼してテープ起こしをするため、そのための謝金を予算として計上していた。しかし、依頼する予定であった業者の都合で4月以降に依頼することになったため、今年度の謝金の執行が20%ちょっととなった。次年度は、今年度と次年度行うインタビューのデータのテープ起こしを随時業者に依頼し、謝金を活用したいと思う。

URL: 

Published: 2013-07-10  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi