2012 Fiscal Year Research-status Report
緩和ケアに携わる援助職者のグリーフとそのケアに関する研究
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23730558
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
金子 絵里乃 関西大学, 人間健康学部, 助教 (40409339)
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Keywords | 緩和ケア / グリーフ / グリーフケア / ソーシャルワーカー / ソーシャルワーク / 医師 / 看護師 / チャプレン |
Research Abstract |
本研究の目的は、①緩和ケアに携わる援助職者がどのようなグリーフを抱え、グリーフにどのように対応しているかを明らかにすること、②緩和ケアに携わる援助職者に必要な資質や職場環境のあり方を検討すること、③援助職者に必要なグリーフケアを検討することである。この目的を達成するため、今年度は下記の2つを中心に研究を行った。 1つは、援助職者のグリーフに関する先行研究の収集・レビューである。昨年度に引き続き、これまでに蓄積されてきた先行研究の文献を収集し、援助職者特有のグリーフとはどのようなものかをレビューした。 2つめは、インタビュー調査の実施である。関西・関東圏を中心に、緩和ケアに携わっている援助職者(医師・看護師・ソーシャルワーカー・チャプレン)を対象に約60~90分のインタビュー調査を実施した。インタビューでは、看取りケアやグリーフケアの実践、これまでにつらかった患者との喪失体験、グリーフへのコーピング(対応方法)、職場環境・職場内の援助者へのグリーフケア、緩和ケアの場で仕事をする難しさ・やりがい、臨床をささえるもの・援助者としてたいせつにしていること、必要と感じる援助者へのグリーフケアについて話を聴いた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、①援助職者のグリーフに関する先行研究の収集とレビュー、②インタビュー調査の実施を中心に計画を立てた。 ①については、昨年度に引き続き、看護学、医学、ソーシャルワークの領域を中心に文献を収集することができた。来年度も引き続き最新の研究動向を追いながら、先行研究の収集とレビューを行い、先行研究とインタビュー調査で得られたデータを照らし合わせながら研究結果の分析と考察を行う予定である。 ②については、申請者のネットワークを活用し、本研究の調査に該当する援助職者を紹介してもらいインタビューを進めている。経験年数や男女比のバランスなどを考えて選定しているが、緩和ケアに携わっているチャプレンの数が限られていることや、長年緩和ケアに携わっている援助職者の数にも限りがあることなどから、調査協力者へのインタビューの数を確保することが難しい状況である。来年度は、新たなネットワークを活用して調査協力者の数を増やすことに努め、それが困難である場合には、現時点で得られたインタビューデータを整理して分析を進めていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、新たなネットワークを開拓し、緩和ケアに携わっている医師・看護師・ソーシャルワーカー・チャプレンにインタビューの依頼をし、今年度と同様に60~90分のインタビューを実施する予定である。業者にテープ起こしを依頼し、録音した語りをデータとして用いてデータ分析を行う。分析後、これまでの研究成果を整理し、研究の総括を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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