2011 Fiscal Year Research-status Report
介護保険利用者のサービス利用パターンの類型化と関連要因の検討
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23730571
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
五十嵐 歩 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 特任助教 (20595011)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 社会福祉関係 / 介護保険 / サービス利用 / 介護支援専門員 |
Research Abstract |
平成23年度は、以下の研究計画を実施した。1.居宅介護支援事業者のリクルート:利用者のアセスメントにMinimum Data Set-Home Care (MDS-HC) を使用しており、かつアセスメント結果の入力にASP (Application Service Provider) 方式のソフトを採用している居宅介護支援事業者に研究参加を依頼し、5事業者 (計17拠点) より参加の承諾が得られた。2.データベースの構築:居宅介護支援事業者のシステムにおいて、利用者データから個人情報を削除するプログラムを開発し、そのうえで各事業者より個人情報が削除された利用者データの供与を受けた。(1)MDS-HCアセスメントデータ (2010年11月~2011年10月)、(2)月次介護給付データ (2010年11月~2012年1月) のデータベースを構築した。利用者のアセスメントデータは延べ2,160件であった。(1)と(2)のデータを結合することで、利用者の身体的・精神的・心理社会的な情報と利用サービスに関するデータを連結した分析が可能となった。3.介護支援専門員への質問紙調査:対象高齢者を担当する介護支援専門員の特性 (性別、年齢、基礎職種、経験年数など) を把握するため、自記式質問紙調査を実施中であり(調査対象数75名)、平成24年5月に完了予定である。この調査から得られた情報を上記のデータベースに組み込むことにより、介護支援専門員の特性による介護保険サービスの利用への影響について検討することが可能となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の計画であった「介護支援専門員への質問紙調査」が年度内に完了しなかったが、平成24年5月末に完了予定であるため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度の研究計画は以下の通りである。データ分析の際は統計学の専門家等に相談しながら進める。1.介護支援専門員への質問紙調査:平成23年度に配布済みの調査票を回収し、得られたデータをデータベースに組み込む。2.サービス利用パターンの類型化:介護支援専門員によるMDS-HCアセスメント実施後直近の介護給付データを、分析に用いる。まず、各サービスの利用の有無や同時に利用されることの多いサービスの組み合わせなどを記述統計量から概観し、典型的な利用のパターンを同定する。次に、利用パターンの分類の妥当性について共分散構造分析により確認する。3.サービス利用パターンへの影響要因の分析:MDS-HCアセスメントデータと介護給付データを用いて、サービス利用パターンへの影響要因の分析を実施する。類型化された利用パターンを従属変数、MDS-HCアセスメントデータの中でAndersenの行動モデルの素因、利用促進要因、ニード要因に該当する変数を独立変数とした共分散構造分析を行う。4.成果の発表:分析から得られた結果を取りまとめ、報告書を発行する。また、研究の成果を関連学会の大会等で発表し、学術雑誌等へ論文を投稿する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
・物品費(関連図書、ノートパソコン、一般事務用文具)・国内旅費(調査打ち合わせ旅費、学会参加旅費)・謝金等(研究補助、専門的知識の提供、英文校閲)・その他(報告書印刷費、運搬費、調査交通費、システム管理費)
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