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2012 Fiscal Year Research-status Report

ニホンザルにおける社会ネットワーク構造の分析

Research Project

Project/Area Number 23730581
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

大西 賢治  大阪大学, 人間科学研究科, 助教 (30547005)

Keywordsソーシャル・ネットワーク / 毛づくろい / 固有ベクトル中心性 / 直接互恵性 / ニホンザル
Research Abstract

本研究課題の目的は、以下の3点である。まず1点目として、ニホンザルの社会がどのようなネットワーク構造になっているのか、集団の構成個体の変化がソーシャル・ネットワーク全体にどのような影響を与えるのかを検討する。2点目として、ソーシャル・ネットワークの維持に重要な役割を担っている個体を特定し、どのような個体が社会の維持に重要なのかを分析する。3点目として、未成体が発達に伴ってどのようにソーシャル・ネットワークネットワークに組み込まれていくのかを明らかにする。
研究課題の2年目である平成24年度は、勝山ニホンザル集団を対象とした研究に必要なデータの収集と予備的な分析を行った。行動データの収集は平成24年度に収集予定のデータ量を若干下回ったが、最終年度の平成25年度は観察時間を増やせる見通し残りの2年間で調節し、当初の予定データ量を収集できる見込みである。目的2に用いる性格関連遺伝子に関するDNAデータは継続的に糞サンプルを採取した。目的3に用いる子ザルが受けた母ザルからの養育行動のデータは2005-2008年に収集したデータを用いる。養育行動のデータは必要な形式に整えるためビデオデータからのデータ起こしを追加して行った。
平成24年度中に、毛づくろいデータを予備的に分析し、いくつかのソーシャル・ネットワーク指標から集団の毛づくろいのパターンを可視化した。
また、毛づくろいのネットワークは血縁ごとにサブグループに分かれており、そのサブグループをつないでいる固有ベクトル中心性(ネットワークでどれだけ他個体とつながりを持ち、中心的な役割を果たしているかの指標)が高い個体がいることを数値で示し、特定した。今後データを加えながらそれらの個体がどのような特徴を持っているのかを分析する。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本研究課題では、膨大な行動データを収集するため、観察データ収集・解析用ソフトウェア「ジ・オブザーバーXT」を使用して行動データを記録する。本機器の導入によって、データを起こす作業を大幅に効率化することができる。本研究課題の初年度である平成23年度は当初学術研究助成基金助成金が全額交付されるかが不透明であったため、観察データ収集・解析用ソフトウェア「ジ・オブザーバーXT」の導入が遅れた。平成24年度は引き続きデータの収集と分析を行った。平成24年度のデータ収集は想定のペースで進んだが、現在のところ平成23年度の遅れを取り戻すまでには至っていない。最終年度の平成25年度にデータ収集計画を調整し、目標データ量に近づける予定である。
ソーシャル・ネットワークに関する予備分析は順調に進んだ。平成25年度に取得したデータと合わせて早期の論文出版を目指す。
予備分析で得られたアイデアと過去のデータを合わせて国際学術雑誌Behavioural Processesに毛づくろいの交換における利己的な利益の影響に関する論文を発表した。引き続き継続的な論文の発表を目標とする。

Strategy for Future Research Activity

引き続き各種データの収集を行う。データの収集には同一の方法を用いる。2013年5月から2013年12月までの間、に約70日間、約200時間の観察を目指す。また分析可能となったデータから順次分析を進める。ソーシャル・ネットワークの維持に重要な役割を担っている個体はどの個体なのかと、未成体が発達に伴ってどのようにソーシャル・ネットワークネットワークに組み込まれていくのかに関して中心的に分析を行う。各分析の結果が得られ次第、学会等で発表し、論文を執筆する予定である。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

研究で最も重要なデータ収集、データ解析に必要な備品は初年度中に準備を終えている。平成25年度は行動データの収集と分析結果の発表に必要な旅費や論文出版費などが主な使用用途となる。

  • Research Products

    (2 results)

All 2013 Other

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] Grooming-related feeding motivates macaques to groom and affects grooming reciprocity and episode duration in Japanese macaques (Macaca fuscata)2013

    • Author(s)
      ONISHI K., YAMADA K., & NAKAMICHI M.
    • Journal Title

      Behavioural Processes

      Volume: 92 Pages: 125-130

    • DOI

      10.1016/j.beproc.2012.11.011

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] Grooming-related feeding benefits the groomer: A preliminary study in Japanese macaques (Macaca Fuscata)

    • Author(s)
      ONISHI K., YAMADA K., & NAKAMICHI M.
    • Organizer
      The 24th Congress of the International Primatological Society
    • Place of Presentation
      Cancun, Mexico

URL: 

Published: 2014-07-24  

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