2012 Fiscal Year Research-status Report
家族コミュニケーションパターンと対人コミュニケーション様式の関連性:日米比較研究
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23730598
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Research Institution | 南山大学短期大学部 |
Principal Investigator |
森泉 哲 南山大学短期大学部, 英語科, 准教授 (60310588)
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Keywords | 日米比較 / ソーシャルサポート要請 / 家族コミュニケーションパターン |
Research Abstract |
平成24年度は,家族コミュニケーションパターンが自他意識ならびにソーシャルサポート要請場面に及ぼす影響について日米比較を行うことを目的としていた。日米大学生合計約500名に対して,a) 過去3か月でもっともストレスを感じた場面の自由記述,b)道具的サポート要請の程度(Carver,1997), c)情緒的サポート要請の程度(Carver,1997), d) 家族コミュニケーションパターン尺度(Koerner & Fitzpatrick, 2002), e)サポート要請に対する自由記述,f)フェイス意識尺度(Oetzel & Ting-Toomey, 2003)を尋ねる質問紙調査を実施した。分析の結果,以下の結果が得られた。 まず,国文化,家族コミュニケーションパターン,ソーシャルサポート要請の関連に関して,アメリカ人は日本人と比較して,家族コミュニケーションパターンの会話志向性,従順志向性をともに高く評価しており,その結果ソーシャルサポート要請の程度もより高く評価していた。さらに,国文化の違いは家族コミュニケーションパターンに完全に媒介されることが明らかとなった。また国文化とソーシャルサポートの言語メッセージとの関連では,アメリカにおいては家族や恋人に感情を表出したり、援助を求めたりするのに対して,日本では友人に対して間接的に愚痴をきいてもらったり、語り合ったりするという様式が相対的に選好されているという結果になった。 これらの結果は,本研究の意義である国単位の文化比較研究に家族文化を投入することの重要性を証左する。今後の比較文化研究には,複数の文化変数を扱い,その相対的影響力について検討するという社会生態学的モデルの可能性ならびに重要性が指摘される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度は当初の目的どおり,日米大学生に対して質問紙調査を実施し,分析を行うことができた。またその結果を複数の学会で発表した。現在は海外学術雑誌に投稿の準備をしている段階であり,平成25年度以降に研究成果が公表されることを期待している。結果も,ほぼ当初の予測どおり,国文化ならびに家族文化が対人コミュニケーション様式(ソーシャルサポート要請)に影響を及ぼすという結果となり,複層的な文化により対人コミュニケーションパターンが影響されるという社会生態学的モデルの妥当性が示される結果となった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は,本研究課題の最終年にあたり,当初の目的では現代的社会問題との関連から家族コミュニケーションパターンならびにコミュニケーション様式について研究を行う予定である。ここまで研究は順調に進行しており,当初の予定どおり,質問紙調査を日米大学生に実施し,分析を行う。その後,質問紙調査のデータの分析を行い,結果を論文にまとめ,その成果を学会発表等を通して公表する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度への研究費の繰り越しが生じたのは,平成24年度末に新たな質問紙調査の実施を予定していたが,平成24年度の研究費を上回る委託費を見込んでいたこと,また質問項目の選定が平成25年度にずれ込んだという理由である。平成25年度の早い段階で,質問紙調査を実施し,繰り越し研究費は使用する予定である。平成25年度分の研究費は主に委託費ならびに国内・国外旅費に使用する予定である。平成25年度後半にかけてもう1回の質問紙調査の実施を予定しており,質問紙調査項目を早期に確定させ,質問紙調査を実施し,その費用を研究費から充てる。合わせて平成24年度までに収集したデータを分析し,結果をまとめ,複数の国内・国外学会で研究成果の発表を行うため,国内・国外旅費に本研究費を使用する予定である。
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] What makes for a good life? A four-nation study2012
Author(s)
Tafarodi, R. W., Bonn, G., Liang, H., Takai, J., Moriizumi, S., Belhekar, V., & Padhye, A.
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Journal Title
Journal of Happiness Studies
Volume: 第13巻 第5号
Pages: pp. 783-800
DOI
Peer Reviewed
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