• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2011 Fiscal Year Research-status Report

繁忙感が組織のリスク要因に与える影響

Research Project

Project/Area Number 23730599
Research InstitutionThe Institute for Science of Labour

Principal Investigator

余村 朋樹  (財)労働科学研究所, 研究部, 研究員 (80390772)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
Keywords忙しさ / リスク / 産業組織
Research Abstract

本研究は,組織環境下において(1)繁忙感はどのようなリスク要因を高めるのか,(2)それらはどのような構造であるか,(3)適切な,もしくは許容される繁忙感レベルが規定可能ならばそれはどの程度であるかを明らかにし,さらに,これまでの研究と合わせ,(4)繁忙感影響要因から繁忙感が影響を与える結果までの一連のメカニズムをモデル化することを目的としている。 まず,上記(1)繁忙感によって高められるリスク要因の探索のために,フィールドにおいて(ア)面接調査,(イ)事例調査,(ウ)安全活動の阻害要因調査を行うこととしており,平成23年度は(ア)と(ウ)を行った。 (ア)面接調査は数組織を対象に実施した。データの整理はまだ終了していないが,作業内容や状況についてリスク認知がなされていても,繁忙感を強く感じていると,資料作成などの更なる負担を考え,対処の諦めや先延ばしが発生してしまうといった,繁忙感が業務上の様々な問題の原因になっている事例が幾つか収集出来た。 (ウ)安全活動の阻害要因調査は,企業組織の安全性を向上させる活動にオブザーバーとして介入的に参加し,繁忙感が各種安全活動の阻害要因になっていないか,阻害要因になっている場合,どのように阻害しているかを調査した。本調査も分析はまだ途中であるが,安全管理部署によって非現実的な量・レベルの安全活動目標が立案されることで現場の繁忙感が高まり,その結果,安全活動に対する従業員の主観的成功確立の低下によるモチベーションの低下や,組織の安全管理部署や安全方針に対する不信感の発生などが見られた。 その他,繁忙感と直接要因に関するデータを増やすため,上記調査に並行して,質問紙調査も実施した。これらの研究は,繁忙感の全体的なモデル化と,繁忙感の低減が必要な産業組織に対する具体的で効果的な対策の提言に資するものである。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

平成23年度は,繁忙感によって高められるリスク要因の探索のために,産業組織において(ア)面接調査,(イ)事例調査の実施を計画していた。しかし,東北大震災とそれに続く電力問題の影響で,調査の内諾を得ていた企業から調査見合わせ要請が発生し,計画通りに行うことが出来なかった。 (ア)面接調査については,新たに協力を得られる産業組織を探して調査を行ったが,データの整理などは遅れている。また,(イ)事例調査については代替する対象が見つからず,現在のところ実施出来ていない。 一方,元々平成24年度に実施を企図していた(ウ)安全活動の阻害要因調査は,平成23年度中に実施出来た。

Strategy for Future Research Activity

(1)繁忙感によって高められるリスク要因の探索のために,平成23年度に引き続き,(ア)面接調査結果の分析(機会があれば,追加調査も実施する),(イ)事例調査,(ウ)安全活動の阻害要因調査結果の整理(機会があれば,追加調査も実施する)を行う。 (イ)事例調査については,調査協力を得られなかったり,調査対象として適切なトラブル事例を平成24年度中に捉えることが出来ないと判明した場合は,これまでのトラブル・労災事例の検討によって代替することも考えている。 続いて,平成24年度末から平成25年度にかけて,各種調査の結果を整理し,繁忙感からリスク要因,ヒューマン・エラーまでの仮説構造モデルの構築を目指す。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

平成24年度は,事例調査の実施と,平成23年度の補足として面接調査,安全活動の阻害要因調査の実施,更にこれらフィールド調査のデータ解析を予定している。 これらのフィールドにおける調査は,打ち合わせ,実施,報告が必要であり,調査対象地に赴く交通費の研究経費に占める割合が高くなる。特に,フィールドにおける調査の実施では記録補助として研究協力者の同行を予定しており,各2名分の旅費を申請する。 また,各調査の結果の整理については,質的データであることや,対象組織の業務上の特殊用語等も含まれているため,データの入力・コード化などに時間を要する。そのため,データ整理の補助も予定している。 その他,調査を遂行するための機器類や資料の購入も計画している。

  • Research Products

    (2 results)

All 2011 Other

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] A Study of the Influential Factors on the Sense of Busyness in Organizations2011

    • Author(s)
      Tomoki Yomura
    • Organizer
      The 1st China-Japan Symposium on Modern Safety Technology and Management Strategy
    • Place of Presentation
      shanghai
    • Year and Date
      2011.12.16
  • [Presentation] 組織の繁忙感に関する調査研究-繁忙感の規定要因とその構造-

    • Author(s)
      余村朋樹
    • Organizer
      創立90周年記念特別企画・発展する労働科学と社会貢献 財団法人労働科学研究所
    • Place of Presentation
      東京
    • Year and Date
      平成23年11月18日

URL: 

Published: 2013-07-10  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi