2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23730600
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Research Institution | The Institute for Science of Labour |
Principal Investigator |
奥村 隆志 公益財団法人労働科学研究所, 研究部, 主任研究員 (20373201)
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Keywords | 産業・組織 / 安全文化 / 組織間 |
Research Abstract |
本研究では,従来,申請者らが開発してきたSCATの評価内容や評価構造等を基に,1)組織間の相互評価によってグループ企業の安全文化を評価する質問票(組織間関係の安全文化評価ツール)を開発することを目的としている。 平成24年度は,妥当性の検証および改良版の作成というテーマで,1.試作版の実施と構成妥当性の検討,2.内容妥当性の検証および実施に向けての課題抽出をすることであった。 前年度,東日本大震災の影響で各種調査が遅くなり,前年度の当初目標であった試作版の作成が平成24年度にずれ込んでいる。さらに,前年度の質問紙調査および面接調査では電力業界の企業が対象であったが,あらゆる業種の組織間を評価する質問票の作成のために,今年度,電力以外の業種での調査も追加して実施した。 その結果,質問紙調査において結果の芳しくなかった事業所では,発注組織,受注組織,協力組織各々の安全活動のPDCAサイクルが回っていない(D(実行)しっぱなしで,CAが出来ていない),もしくは,発注組織,受注組織,協力組織,3者による安全活動のPDCAサイクルが回っていないことが確認された。逆に,結果の良い事業所では,C(評価),A(改善)のステップを定期的に実施しており,機能している様子が窺えた。両者の相違点は,安全活動に対する受注組織の関わり具合にあり,結果の良い事業所は,受注組織がP(計画)時点から積極的に参加できる体制があり,協力組織の発言を促しながら,自ら安全活動の中心的な役割を担っていたが,結果の芳しくなかった組織では,協力組織ともにそれを実施だけするという体制になっていた。 なお,試作板の検証については,調査実施可能性のある事業所と協議をしている段階であり,平成24年度での実施には至らなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
前年度,東日本大震災の影響で各種調査が遅くなり,当初目標であった試作版の作成が平成24年度にずれ込んでいる。さらに,前年度の質問紙調査および面接調査では電力業界の企業が対象であったが,あらゆる業種の組織間を評価する質問票の作成のために,今年度,電力以外の業種での調査も追加して実施したため,試作版の作成に留っている。試作板の検証については,調査実施可能性のある事業所と協議をしている段階であり,平成24年度での実施には至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは平成24年度に予定してできなかった試作版を現在,協議中である事業所で実施し,構成妥当性の検討,内容妥当性の検証する。さらに,対象事業所において安全担当部署の関係者(1グループ企業から計5名程度×2業種以上)を対象とし,面接調査を実施する。聴取内容は1) 試作版の網羅性,2)質問内容の妥当性等とし,内容的妥当性を検証すると共に、本格的な実施に向けての課題抽出を整理し、これらの意見を反映させ、改良版を作成する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
質問紙調査実施にあたり,その他から用紙の印刷・配送・回収・データ入力等の費用に充てる。また,旅費については質問紙調査実施事業所への面接調査実施するため,現地までの移動費に充てる。
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