2011 Fiscal Year Research-status Report
統計的信頼度の高いネットいじめ尺度作成と国際比較研究
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23730605
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
青山 郁子 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 特任研究員 (60586808)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | ネットいじめ / いじめ |
Research Abstract |
ここ数年、若者の間でのネットいじめの高い蔓延率は教育的に深刻な問題となりつつある。従来のいじめ同様、ネットいじめは被害者に心理面・健康面で深刻な影響を及ぼすことからも無視できない教育的、社会的問題である。しかし、この新しい現象に学術研究が十分に追いついていない。日本国内において、文部科学省や地方教育員会がネットいじめや学校裏サイトの調査を行っているが、定義・尺度が統一されていないため、調査結果に一貫性に欠けている。従って、結果間に大きな開きが生じ、解釈がことなることが教育関係者、保護者らを混乱させる要因になっている。本研究の目的の一つは、共通定義に基づいた統計学的に信頼度・妥当性の高いネットいじめ尺度作成である。初年度である23年度は、ネットいじめに関連するアンケート調査を公立高校と国立大学の学生を対象に実施し、研究データを収集し分析した。その結果をまとめ、24年度に行われるネットいじめの国際学会で発表するための投稿し査読の結果受理された。また国内の学会でも発表のための準備をすすめ、学術雑誌への論文投稿の作業を行った。また本研究課題が始まる前の、関連プロジェクトの学会発表と論文投稿を行い、出版された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は、1つの公立高校と2つの国立大学を対象に400人の学生からデータを収集し、そのデータを分析したものを学術論文にまとめた。その結果は、国際学会での発表が決まっており、別の角度で分析したものも、国内の学会で24年度中に発表予定である。しかし、23年度に予定していた小学校と中学校でのデータの収集ができなかった点でのみ遅れている。これはアンケート調査を依頼していた小学校と中学校の都合によるものであったため、今年度はその分を別の学校で依頼する予定である。この点においては、研究協力者からフィールドの提供の協力を得ているために、全体としての進捗に問題はないであろう。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目である今年度は、準備中である論文投稿、学会発表を引き続き行う。それと同時に、すでにあるデータを別の角度から再度分析を行い、新たな学会発表(日本教育心理学会、日本教育工学会、American Educational Research Associationなど)、論文投稿に向けて準備を行うことで積極的に成果を広める予定である。また、昨年度収集できなかった小学校と中学生でのデータを収集し、小中高大の年代の比較やネットいじめのパターンなどを検証する。そして、それらの結果を、海外の結果と比較し、ネットいじめの現象が多文化でも同様のパターンかを明らかにする。海外の研究者とは、すでに共同研究実績があり、本の執筆も進行中であるため、こちらの準備も引き続き行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究成果発表のための学会参加を国内(日本教育心理学会=沖縄、日本教育工学会=長崎)と海外(International Conference on Cyberbullying=フランス)で、それぞれ予定しているため、その渡航費用が必要となる。また追加データを収集するための補助として人件費(大学院生のアルバイト)、調査協力学校への謝礼、データ入力会社への支払金が必要になる。研究成果発表の論文投稿準備に際しては、英語での論文作成に英文校正のサービスを利用する予定で、場合によっては査読料がかかる場合もある。
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